京大卒ニートブロガーとして知られるphaさんが5月22日、「お金がないと幸せになれないのか」とブログで疑問を投げかけ、ネット上で議論が起きている。
phaさんは前日放送のバラエティ番組「僕らが考える夜」(フジテレビ系)にゲスト出演。「お金がなくても幸せって本当?」というテーマで、AKBメンバーが「結婚相手は年収1000万円以上」などと語る中、phaさんは「お金より時間の方が大事」「毎日好きなだけ寝てたい」といつも通りのスタンスを見せていた。
いい服もいい家も「他人にすごいと思われたい」という見栄
番組放送を受けてphaさんはブログを綴り、「お金は生きていくには必要なものではあるけれど、でもそんなに一定以上いらないな(だからあまり働きたくない)と思うのも事実なんですよね」と改めて自説を述べる。
以前、サラリーマンをしていたときは手取りが十数万円あったが、元々お金をあまり使わないので余っていた。そもそも「お金を使って贅沢するとかも、結構飽きるものだと思うんですよね」とも語る。
いい物を食べたり、いい服を着るにしても、手に入れた瞬間は楽しいけれどもすぐに虚しくなってしまう。一方、家でインターネットを見ても虚しくなるので、「どっちにしろ飽きるしむなしくなるんなら、わざわざ働いて稼いだりするの面倒じゃね?」と指摘。
しかも、いい服やいい家は自分が本心から好きなのではなく、「他人にすごいと思われたい」という見栄の部分が多いとする。他人の目を気にしないようになれば、お金を使う機会も減るということだ。
実は人はそこまでお金を必要としているわけではなく、無理して働く必要もないという内容の記事に、現在はてなブックマークが500件以上ついている。コメント欄には「お金を集めすぎるとお金の世話して生きていかないといけなくなっちゃうからね」と同意する声もあったが、疑問を呈するものも多い。
「『金で幸せは買えないが、金で避けられる不幸は山のようにある』という言葉がだな」
「せめて明日の心配しなくて済む程度のお金は必要かな」
「ニートの人はハローワークで職業訓練を探そう」と呼びかけ
もちろんphaさんもお金がまったく要らないとは言っていない。病気や事故などに突然見舞われたときには、お金のありがたみを痛感することもあるだろう。ただ、無駄な出費に追われている人が多いと分かっていても、phaさんほど欲を捨てることも容易ではない。
番組によると、phaさんは現在ブログの広告と書籍で月に4~5万円の収入があり、それで生活している。お金を使わずにいかに楽しく過ごすかが活動の一つのテーマになっており、5月下旬にも新刊『持たない幸福論』(幻冬舎)が出る予定だ。
一方でphaさんは「まったく働かないこと」を推奨しているわけではない。番組でも「ニートの人も『働かなくていいや』と思っている人はそんなに多くない。働けるなら働きたいと思っている人の方が多い」と語っていた。
ブログではニートを減らす方法として、「職業訓練を増やすこと」を提案。スキルがあれば、働きたいと思った時に仕事が見つけやすくなると指摘する。phaさんの周囲にはプログラミングを勉強して就職した人がたくさんいるという。
プログラミングは向き不向きがあるとしても、大工でも料理でも手に職があれば、社会の中での動きやすさがあがるとし、「ということでニートの人はハローワークで職業訓練を探そう」と呼びかけている。
あわせてよみたい:ニートと社畜がバトル「絶対に働かないぞ!」