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AKB48『総選挙』速報結果、今年は何が違う? 現時点の各グループ勢力図を分析

2015年05月22日 10:51  リアルサウンド

リアルサウンド

AKB48『僕たちは戦わない(Type-D【初回限定盤】)』(キングレコード)

 AKB48グループが、6月6日に福岡・ヤフオク!ドームで『41thシングル選抜総選挙』を実施。5月20日には、投票券の封入されているシングル『僕たちは戦わない』がリリースされ、翌日の21日には1回目の中間速報が発表された。80位以内にランクインしたのはAKB48が28人、SKE48が26人、NMB48が8人、HKT48が16人、SNH48が1人、NGT48が1人(兼任メンバーは所属元で算出)で、指原莉乃が38,151票を獲得し暫定1位となった。


(参考:指原莉乃がAKB48メンバーの給与事情を暴露


 票数はこれからも大きく変動するため、速報が最終結果に直接結びつくわけではないが、例年通り好調な滑り出しを見せたSKE48とAKB48や、昨年を下回るペースの人数となってしまったNMB48、大きく躍進を遂げたHKT48など、現段階で各グループの状況もある程度見えてきた。『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、AKB48グループに詳しいライターの香月孝史氏は、今回の順位や票の動きを「例年の総選挙が持つ意味合いとは違う」と分析する。


「今回の総選挙は、事前に松井玲奈さんや小嶋陽菜さんなど、出馬すれば上位選出が確実視されるメンバーが辞退を発表しています。これは、2人が身を持って『総選挙はあくまで内輪の勢力争いであり、その外にはもっと広い世界がある』と示したと言えるでしょう。また、これまでの総選挙の1位争いは“次にグループを背負うメンバーを決める”という意味合いのものでしたが、今回は12月をもって卒業予定の高橋みなみを1位にしようという動きも出ています。これは、いわば彼女のAKB48でのキャリアの集大成として1位をプレゼントしようとするものであり、これまでのトップ争いの投票動機とは異なるものです。メンバーやファンの、総選挙に対するスタンスや目的が多様化したことで、単に“戦いの場”というよりも、ひとつのお祭りとしての側面が今まで以上に強くなりつつあります」


 また、各グループの勢力図について、同氏は次のように語る。


「SKE48には総選挙を通して、須田亜香里や柴田阿弥、高柳明音などの有力メンバーを全国区へと押し上げた歴史があります。ファンもこのイベントに懸ける思いが強く、それが速報結果にも表れています。NMB48は人数の少なさに加え、次世代のエースとされている白間美瑠さんが圏外であることも気になります。しかし、現時点では数十人のファンの動向で順位が変動するレベルなので、ここからの巻き返しに期待したいですね」


 今回躍進を遂げたHKT48については、ファン増加による投票傾向の変化がみられるという。


「HKT48は、これまで“指原と若い子たち”という印象だったものが、兒玉遥や宮脇咲良、森保まどからの活躍もあり、速報段階で多くのメンバーがランクインしました。ここで注目したいのが、村重杏奈や矢吹奈子、田中美久、穴井千尋といったメディア露出の多いメンバーが圏外なのに、渕上舞や坂口理子、神志那結衣などのように、対世間のイメージの強さとは別次元で『この人を推したい』という力が働くようになったこと。最終結果に反映されるかどうかは別として、速報で売出し中の若手メンバーが突然ランクインして注目を浴びるのはSKE48のファンが持つ得意技のようなものでしたが、HKT48のファンにもそうしたパワーを感じますね」


 最後に同氏は、『選抜総選挙』が持つ“グループ同士の都市対抗戦”の意味合いが年々強くなっていると指摘した。


「速報の発表結果に山本彩と松井珠理奈が悔しがっていたことからもわかるように、かつては “AKB48本体のメンバーと、+αとしての姉妹グループ主力メンバー”の戦いだったものが、ここ数年はとくに4グループがそれぞれに独立した力を持って戦えるようになりました。各グループの対抗という色合いが強くなることで、それぞれのグループの看板メンバーのプレッシャーや背負うものも増しているように感じられます。昨年の総選挙の選抜メンバーのうち、立候補を辞退した松井玲奈・小嶋陽菜・生駒里奈・川栄李奈の4枠が空くことになった今年、その枠を巡って各グループの争いがさらに激化しそうです」


 イベント自体が新たな意味合いを持ち始めた2015年の『選抜総選挙』。各グループの勢力図が再び描き直されるなか、栄冠を手にするメンバーは誰になるのだろうか。(リアルサウンド編集部)