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寺嶋由芙が明かす、“まじめなアイドル”の葛藤と覚悟 「CDを積ませるだけでは続けていけない」

2015年05月22日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

5月20日に『ふへへへへへへへ大作戦』でメジャー・デビューを果たす寺嶋由芙。

 2013年にBiSを脱退し、一時はシーンから姿を消していたものの、2014年にインディーズでシングル『#ゆーふらいと』をリリースして復活した寺嶋由芙。その復活劇は、ナンバーガールやBase Ball Bear、氣志團などを世に送り出してきたディレクター・加茂啓太郎に見いだされ、さらに寺嶋由芙の過去を踏まえた歌詞をでんぱ組.incの夢眠ねむが書き下ろすというドラマティックなカムバックだった。昨年末にリリースされたサード・シングル『猫になりたい!』は、オリコン週間シングルランキングで16位を獲得している。


 その寺嶋由芙が、2015年5月20日に『ふへへへへへへへ大作戦』でメジャー・デビューを果たす。作詞は、かねてから親交のあったシンガーソングライターの大森靖子。彼女ならではのドキッとするようなフレーズがちりばめられた歌詞だ。また、rionosが作編曲を担当したサウンドは、大瀧詠一のナイアガラ・サウンドを髣髴とさせ、メロディーは80年代の松田聖子を連想させる。


 「古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル」をキャッチコピーとする寺嶋由芙がメジャー・デビュー・シングルで届けたのは、「王道」と意外性の合わせ技だった。


 2013年に一度は何の後ろ盾もない状態になったものの、再びメジャー・シーンに戻ってきた寺嶋由芙。彼女に現在の心境を聞くと、さまざまな葛藤も浮きあがってきた。


 また、作詞を担当した大森靖子からのコメントも届けられたので、ぜひあわせて読んでほしい。(宗像明将)


(参考:寺嶋由芙が初ワンマンで起こした熱狂 “強さ”を秘めたソロアイドルはどこに向かう?


・「知っている人の前だけでぬくぬくやっていても仕方がない」


――BiS時代を含めると2度目のメジャー・デビューですが、ソロとしては初めてのメジャー・デビューですね。今、気負いはありませんか?


寺嶋由芙(以下:寺嶋):いろいろ心配しています(笑)。何もかもが心配ですね。


――ふだんファンの前で弱音を吐かない寺嶋さんが、今回のメジャー・デビューを前にして、ブログに「ちょっとしんどいなぁと思ってしまうこともあります」と書いていて驚きました。どんなことがしんどいですか?


寺嶋:インディーズのときと環境がいろいろ変わって、関わってくれる人も増えて、今までの流れを知っている人がほぼいない中で、「応援してくれるヲタさんにどう対応していくか」とか「みんなが何を求めているのか」とかを一旦共有し直さないといけないところが大変だなと思います。メジャー・デビューとなったらどういうものが期待されるのかを、私はTwitter廃人なので全部見てますけど(笑)、それをすぐに共有できるわけではないので大変です。


――しんどいのはまだ続いてますか?


寺嶋:もう今は無事にリリースを迎えたいですね。ちょっとでも露出や新規を増やしたくて焦っていたけれど、もうそこは一度置いておいて、ヲタさんに変なプレッシャーをかけずに楽しくリリースを迎えたいなと思います。


――そういう焦りはBiS時代にはなかったものですか?


寺嶋:その時代は運営的なものに関わりようがなかったし、何が起きているのかもわからないままだったので違いますね。ソロになってから、何が起きているのかが見える状態で進んでいたのは安心材料でした。だけど関わってくれる人が増えるとそうではないので、心配しているところはあります(笑)。


――それは、寺嶋さんが最悪のパターンばかり想像してしまう性格だからではなく……?


寺嶋:変わりませんね、悪化してますね(笑)。


――メジャー・デビューとなると、世の中では寺嶋さんを知らない人のほうが多いですよね。ゆるキャラ好きで、レギュラー番組(TOKYO MX『みうらじゅん&安齋肇のゆるキャラに負けない!』)まで持っていることも知らない人が多いでしょうし。


寺嶋:そこはありがたいですね、知っている人の前だけでぬくぬくやっていても仕方がないので。アウェイな現場はウェルカムですし、そういうプレッシャーはないです。


――今は、ソロになった当初にお母さんがチェキを撮っていた時代を知らないファンも多いですよね。


寺嶋:それを知ってる人にとっては、娘の嫁入りのように感慨深いと思います。でも、知らない人からしたらこれがスタートだから、そういう感動がない人たちにも届けないといけないんです。歌やステージングだけで評価されるので難しいときもあるけど、私を知っている人たちだけにやっても仕方ないですし。


・「一般人になった私をアイドル扱いしてくれたので戻りやすかった」


――寺嶋さんはBiS脱退後、最初は事務所にも所属せず、「ミスiD2014」を受賞して、ソロの初ライヴ(2013年10月22日『アイドルフィロソフィーVOL.3』)を4曲だけでして……。「#ゆーふらいと」でインディーズで再デビューするまでの時期も相当しんどかったと思いますが、今振り返ってみてどんな経験でしたか?


寺嶋:あの時は一番焦りがありました、今とは別の焦りが。活動も決まらなくて、みんなに会えないという問題がありました。私が行きそうなゆるキャライベントに会いに来てくれても、みんながっつかないんですよ! 本当にいいオタク(笑)。


――でも、がっつかれないのは寂しくなかったですか?


寺嶋:一般人になった私をアイドル扱いしてくれたので、アイドルに戻りやすかったと思います。戻ってくる前提で接してくれていたのでありがたかったです。


――そして、メジャーでもディレクターを担当することになる加茂啓太郎さんと出会うことになります。加茂さんが、ナンバーガールやBase Ball Bear、氣志團などを世に送りだした人だと知っていましたか?


寺嶋:全然知りませんでした。一回私がいたグループの握手会に来てくださったことあって、でんぱ組.incの台湾ツアーで買ってきたゆるキャラのOPENちゃん(セブンイレブンが台湾や中国で使っているキャラクター)の人形を持ってきてくれたんです。握手会で紹介されて、業界の人って認識だけはありました。


――その加茂さんとメジャー・デビューまで来たわけですが、メジャー・デビュー・シングル「ふへへへへへへへ大作戦」の作詞に大森靖子さんを迎えた経緯は?


寺嶋:加茂さんのアイデアです。私も大森さんの曲を好きで聴いていたし、トークイベント(2014年1月21日『絶対黒髪少女』)でご一緒させていただいたり、「ミスiD」つながりで「イミテーションガール」(大森靖子の2014年のアルバム『洗脳』収録曲)にも参加させていただいたりしていたので、自然な流れでした。


――寺嶋さんの最初の自主企画(2013年12月23日『ゆっふぃープレゼンツ まじめなアイドルたちのクリスマス』)にも大森さんは出演してましたね。寺嶋さんから見ると、大森さんはどういう存在ですか?


寺嶋:2012年の「夏の魔物」で、オタクから聞いて大森さんの存在を知ったんですけど、過激なことが話題になりがちだったから「それでいいんだろうか」と曲も知らずに思っていました。でも、私がいたグループの「primal.」という曲で共演したら完璧だったんですよ(2013年4月3日『OMOCHI★MOOSIC presents MOOSIC LAB OPENING PARTY!』)。大森さんはワッキー(BiSを2013年3月16日に脱退したワキサカユリカ)のパートだったんですけど、彼女の踊り方の癖まで完コピしていて、「この人すごく真面目じゃん!」と驚きました。根が真面目で、話すと優しい人なのに、ステージはあれだけエモーショナルで、作り物ではなく本物だったから悔しかったんです。私はアイドルだから言われたことをやっていたけれど、大森さんは全部自分でやっていたから、かっこよかったし、悔しかったです。


――最初は「悔しい」。その印象が変わったのは?


寺嶋:ソロになってからトークイベントや「ミスiD」のイベント、去年の「夏の魔物」でお話しして、人としての尊敬にどんどん変わっていきました。曲も聴くようになったし、トークイベントではタンポポの「I&YOU&I&YOU&I」も一緒にカヴァーして、ハロヲタ仲間としても好きです。


――今回、「寺嶋由芙」というキャラクターの裏側を大森さんに描かれるのでは、という不安はなかったですか?


寺嶋:不安はないです、書いてもらえるといいなと思っていました。「きゅるきゅる」(大森靖子の2014年のシングル)や「子供じゃないもん17」(大森靖子の2014年のアルバム『洗脳』収録曲)は私をモデルにして書いてくれたと聞いていたので。アイドルだから自分では言えないので、自分では出せないところを書いてくれたらいいなと思いました。黒い部分とか隠しきれてないからバレてると思いますけど(笑)、自分から「まだ見せてない部分があるんですよ」と言ったら寒いし、アイドルとしていろいろ想像してもらえる奥行きを作ってほしいな、って。


――寺嶋さんは基本的に自分に美学を課している人ですよね。それが「裏表がある」とも言われたり。そこを突かれるのではないかと思いませんでしたか?


寺嶋:清く正しく生きてますから!(笑) でも、もっと攻めるというか、黒い感じの歌詞になるかと思っていたら、私を肯定してくれている歌詞で意外でした。


――大森さんが作詞するときに、Twitterで「ゆっふぃーに言ってほしい言葉ある人リプ」と募集してましたけど、結局採用された言葉はあるんですか?


寺嶋:ないです(笑)。リプがひどくて、安易な「黒ゆふ感」だったんですよ! みんな考えてはくれたけど、大森さんはそれを超えてきてくれたのでありがたいです。


――大森さんから渡された「言葉」はどうでしたか?


寺嶋:「まじめをなめないで」という歌詞は、メジャー・デビューのタイミングで名刺代わりになって、わかってもらいやすいと思います。「#ゆーふらいと」とは別の意味での自己紹介になると思います。「#ゆーふらいと」は「いろいろ大変なこともあったけどがんばろうね」ってねむきゅん(夢眠ねむ)が書いてくれて、感動して応援してくれる人もいたし、自分も励まされたんです。「ふへへへへへへへ大作戦」はそれよりは攻めてるし、私の過去のことを知らなくても聴いてもらえると思います。


――「あんまり まじめをなめないで」「触らせてあげてもいいわ」「ハートまで ゆるくちゃだめよ」と、寺嶋さんのキーワードを踏まえつつ、刺激的な歌詞もありますね。


寺嶋:もう23歳なので、大人の魅力で! でもダメですよ、CDを買ってもらえないと握手会で触れさせないですけど(笑)。かわいい王道アイドルソングっぽい曲調と歌詞のギャップで、聴いてくれる人が増えてくれるといいなと思います。あと、「ふへへへへへへへ」の「なんだこれ?」感とか、「大作戦」っていう言葉も、つんく♂さんっぽいと思ったんですよ。そういうフレーズを入れつつ、ピリッとくる感じがあります。


・「この感じでメジャー・デビューできて良かった」


――「きゅるきゅる」を大阪ワンマン(2015年4月12日『Yufu Terashima 1st Solo Live「#Yufu Flight」at Osaka』)で歌いましたね。あれはもともと寺嶋さん用に作った曲だそうですが、歌ってみた感想は?


寺嶋:曲として難しかったです。でも歌詞は気持ち良かったです、<きゅるきゅる私性格悪いから / あの子の悪口絶対言わない>の部分も初めて聴いたときから好きだし。シャウトの入る曲はソロになってから歌ってないので気持ち良かったです。


――<きゅるきゅる私性格悪いから / あの子の悪口絶対言わない>に自分を重ねますか?


寺嶋:いやー全然、性格いいから重ねないんですけど(笑)。でも「きゅるきゅる」を聴いたとき、そこが一番好きだったんですよ。


――「子供じゃないもん17」はカヴァーしないんですか?


寺嶋:まだカラオケにないし、ひとりで家で勝手に歌ってるんです(笑)。「洗脳」を聴いて「超かわいい、一番好きかも」と思ったら、後から私をイメージしていると知ったんです。


――大森さんの曲ではどれが好きですか?


寺嶋:「イミテーションガール」も好きだし、「呪いは水色」の「あなたは正しい それでもやっぱり / 私だって正しい」という歌詞も好きです。女子っぽい歌詞が好きで、それを女性だけじゃなく、男の人も楽しく聴いているのも面白いです。「ふへへへへへへへ大作戦」も、女の子にも男の人にも気に入ってもらえるので、どちらにも広がっていったらいいなと思います。


――「ふへへへへへへへ大作戦」のヴォーカルで気をつかった点はありますか?


寺嶋:プリプロのときに加茂さんに「松田聖子感がある」と言われて、松田聖子さんの動画を見てレコーディングまでに研究しました。


――メロディーには松田聖子を連想する人が多いですね。


寺嶋:この曲はすごく好きです、歌詞のないときから気に入ってました。この感じでメジャー・デビューできて良かったと思います。メジャー・デビューだから、オタク向けにBPMが早い打ち曲(MIXが打てる楽曲)にする作戦もあったと思うんですけど、そうしなかった加茂さんとrionosちゃんに感謝してます。


――とはいえ、いきなりミディアム・ナンバーで、ファンの反応は心配ではなかったですか?


寺嶋:曲として気に入ってもらえるなとは思ったし、実際に気に入ってもらえてます。でも、インパクトとしては打てる曲のほうがライヴが湧くのはみんなも私もわかっているから、みんなが心配するんじゃないかと思って(笑)。「俺は好きだけど広げるためには大丈夫なのか」って案の定心配してくれていて。でも、こういう曲調だから女の子が現場に来てくれるし、ゆるキャラファンの主婦層の方も来てくれているんです。


――カップリングの「YOU MAY DREAM」は、初めてのワンマンライヴ(2015年2月8日『Yufu Terashima 1st Solo Live「#Yufu Flight」』)のバックバンドによる演奏で、ふぇのたすのヤマモトショウさんがギター、みこさんがコーラスで加わってますね。バンドで録音したのは初めてですか?


寺嶋:初めてです。レコーディングも見られたんですけど、「バンドのレコーディングってこうやるんだな」と思いました。


――「YOU MAY DREAM」を歌うにあたって気にしたことは?


寺嶋:疾走感ですね。「ふへへへへへへへ大作戦」がゆるりとしていたので、CD1枚でいろんな色を見せるために、「YOU MAY DREAM」ではかっこいい感じを出せたらいいなと考えて、歌い方や声の出し方を太く、強く変えました。


――レコーディングのとき、澤“sweets”ミキヒコさん(2015年5月3日に急逝)がふぇのたすのメンバーのために車を運転して来てくれたんですよね。


寺嶋:来てくれました。本当はバックバンドのメンバー全員とコーラスのみこちゃん、っていう予定だったんですけど、ギターの愛子さん(岡愛子)の予定がどうしても合わなくて、ショウさんに弾いてもらうことになって、ミキヒコさんとさわたす(ふぇのたすのディレクター)も来てくれました。だから、ふぇのたすチームとバックバンドと私で作った形ですね。ふぇのたすのシングル(2015年6月3日にリリースが予定されていた『いい感じ!~どれにしようかな~』)が出せなくなったぶん、「ふへへへへへへへ大作戦」のスペシャル・サンクスのクレジットにはミキヒコさんの名前も入っているから、今回私ががんばって、ちょっとでも恩返しができたらいいな(涙を流しながら)。


・「私が好きだったときのアイドルはそうじゃなかった」


――オリコン10位以内に入ると宣言しましたが、手応えはどうですか?


寺嶋:それでヲタさんに変なプレッシャーをかけていたら申し訳ないなと。宣言したときと今とで私の状況が変わって、メジャーでやっていくなかで難しいことがあるのもわかったし、こっちが勝手に目標を掲げたのに、結局みんなに頼らないといけないのは申し訳ないなと思います。


――宣言したことを後悔はしてないですか?


寺嶋:後悔はしてないです。前からずっと思っていることなので、言うか言わないかの差だけなんですけど、言ってるほどのことをできてないなと。


――そこは寺嶋さんが気に病むところではないのでは。


寺嶋:世間の流れなので仕方ないと言ってくれる人もいるけど、積ませるだけでは続けていけないし、結果を出してこそ露出が増える流れはあるけれど、それでいいのかなとは思います。私が好きだったときのアイドルはそうじゃなかったから、モーニング娘。のCDを何十枚も買ってないですし。せめて何枚も買ってくれる人には、特典会を心を込めてやっています。


――今のアイドルシーンでは、寺嶋さんのようにソロで逆境を乗り越えられる人はごくわずかだと思います。なぜ乗り越えられたと思いますか?


寺嶋:当時お世話をしてくれたスタッフさんもいたし、なによりオタクのおかげです。私が本当に何者でもなくなったときでも毎日Twitterのリプで応援してくれたり。ゆるキャラのイベントに出演したら見に来てくれたり、「ミスiD2014」でも投票をがんばってくれたり、本当に助けてもらいました。


――メジャー・デビューという節目に、今どんな気持ちか率直に教えてください。


寺嶋:ちょっと自分もいろいろ建て直せてないし、みんなに頼りっぱなしになっちゃうなって(涙を流しながら)。


――どうしてそう思うんですか?


寺嶋:今回メジャー・デビューで周囲の目がガラッと変わって、「これはあって当たり前」と求められるものが増えて、それに追いつけてない気がします。


――それはどうリベンジしていきたいですか?


寺嶋:とりあえず営業ふぁぼ(Twitterのお気に入り)をしています(笑)。自分はフライヤーを配ったり、ツイキャスをしたりしかできないから、まずは体調を整えてひとつひとつのステージを大事にしています。


――メジャー・デビューを前にして、インディーズ時代を振り返ってもっとも大きかったことは何でしょうか?


寺嶋:初めてのワンマンライヴです。


――メジャー・デビューの発表当日ですね。あの時の反応はどう思いましたか?


寺嶋:みんながあんなに喜んでくれるとは思わなかったから、それに応えなければならないと思いました。アイドル界隈はいろんなことがあるじゃないですか。その度にショックを受けるオタクたちを見ているので、傷を癒しにリリースイベントに来てくれたらいいなと思います。CDをリリースできることは本当にありがたいことなのでがんばりたいです。


(取材・文=宗像明将)


【大森靖子へのメールインタビュー!】


・「寺嶋さんの乙女感は、初期聖子ちゃんのニュアンスだと思う」


――今回の『ふへへへへへへへ大作戦』の作詞を担当された経緯を教えてください。

大森靖子(以下、大森):これまで何度か自身の曲の作詞作曲をするにあたり、寺嶋さんを勝手にモデルにしてかいたことがありました。メジャーデビュー曲の『きゅるきゅる』や、アルバム「洗脳」にはいっている『子供じゃないもん17』の特に冒頭部分<乙女をわかんないでくれるかな>がそうです。
で、それをインタビューなどで言ったのをおそらく寺嶋さんのファンの方が寺嶋さんサイドに伝えてくださり、今回の作詞提供の流れになったのかと思われます。


――寺嶋由芙さんにはどのような印象をお持ちでしたか?

大森:寺嶋さんの乙女感はなんというか、おそらく自意識とは別のところで絶妙で。いなたさと、秘密感、騙されやすそうさ、そのへんの水色さが、初期聖子ちゃんのニュアンスなのだと思います。真面目にアイドル!というキャラも、一歩いきすぎると80年代アイドルギャグみたいになっちゃうところを、なんか寺嶋さんだとそうならないのが素晴らしいです。


――今作の作詞に当たって意識したポイントを教えてください。


大森:曲がドストレートに先に言った通り寺嶋さんのイメージの聖子ちゃんできたので、そのまま焼き直しにならないように今の言葉を差し込んだり、メジャーデビューということで、とにかくタイトルで目をひいてたくさんのひとに見つけてもらえるようにしたいと思いました。
ゆっふぃーと手をつないで恋をしている気分で聴いてもらえればと思います。


――『ふへへへへへへへ大作戦』でメジャーデビューを果たす寺嶋由芙さんへメッセージをお願いいたします。


大森:ゆっふぃーが大切にしてきたゆっふぃーをそのまま磨いて、これまでよりもっとたくさんの人の毎日を、やわらかくしてあげてください。