今日の誕生日の作家を紹介するこの連載。5月22日は『銀の匙』などで知られる中勘助(1885~1955)の誕生日です。
中勘助は1885年東京で生まれ、第一高等学校を経て東京帝国大学文学部英文科に進学。高等学校の頃から夏目漱石の講義を受け、国文科に転じ、大学を卒業した後も漱石に師事します。
1910年に前篇が執筆され、漱石の絶賛を受けたという自伝的小説『銀の匙』は、戦後、灘中学校の国語教師・橋本武氏が教材に採用し、中学3年間をかけて『銀の匙』を読み上げるというユニークな授業が行われました。
現在では『銀の匙』(岩波文庫ほか)のほかに、『提婆達多』『犬―他一篇』『中勘助随筆集』(すべて岩波文庫)といった著作が入手可能で、いずれも高い評価を受けています。
今年、生誕130年、没後50年を迎える中勘助。まだ読んだことがない人は、この機会に触れてみるのもいいのかもしれません。
(新刊JP編集部)