市原隼人主演の映画『極道大戦争』でメガホンをとった三池崇史監督が、「芸者に転職か?」と話題だ。本作は開催中の「第68回カンヌ国際映画祭 監督週間」へ正式招待をうけたが、三池監督は参加が叶わず「行けなくてごめんね」の思いを込めてサプライズ動画を披露した。
【この記事の他の写真を見る】日本のヤクザ映画と言えば、北野武監督の作品をはじめ冷酷な血の流し合いの場面を思い浮かべてしまう。しかし、三池崇史監督が原点回帰したと語る最新作『極道大戦争』は予告動画を見る限り、リラックスして楽しめるエンタテインメントを追求したものだ。今回、監督が「カンヌ国際映画祭 監督週間」の公式上映向けに用意した「行けなくてごめんね」サプライズ動画メッセージで“極妻”仕様の完璧な女装姿になったことからも、そのコンセプトが伝わってくる。
黒の留袖に番傘と“たかし”の名入りのちょうちんを携えた監督は、メッセージの中で「私、今年のはじめから、富士山の麓で芸者をはじめまして、いろいろ忙しくそちらへ伺うことができません。いよいよ来週はシリコンをいれる予定です」とカミングアウト。いち早く三池監督の最新作を観たいとカンヌにかけつけた映画ファンを熱狂させた。
三池監督は事前に受けたインタビューで、「どうせやるんだったら、今時できない物をやろうというところから始まった」と語っている。Vシネマ時代を思わせる自由奔放な内容となったことについては「Vシネマ的なローバジェットで作るものは、メジャー映画と比べて一段落ちるものと思われがちですが、確かに予算は少ないものの自由度は高いし、作っている側も楽しんでる。この辺で一度原点に戻って今、本当にそれがやれるのかどうか試してみたかった」と自身もスタッフもボロボロになりながらも、撮りたいという思いを確認できた作品だという。
市原隼人の凛々しいヤクザぶりと凄まじいアクションについては「“いい役者、いい男になったなぁ”というのが正直な感想」「役者の中でも他にいない生き方をしているピュアな人間で、映画にとってものすごく武器になる男だと思います」と絶賛している。
また、組長役のリリー・フランキーの印象を「もう最高ですね。暴れるリリー・フランキーを撮れたってことだけでも自分にとっては意義のある作品でした」「〈リリー・フランキー〉という生き物の一つの部分が俳優なんですよね」と語り、撮影が進むうちにリリーの人間性が変わる瞬間を捉えたという。「この時代にリリーさんがいてくれて、映画に出てくれることに感謝ですね」とまで評価していた。
極道の役は初めてという市原隼人。今回の作品には「“自分は半端物ではないか?”、“社会から外れていないか?”という悩みは、誰もが一度は考えたことがあるものだ」と観客が共感できるものがあるという。「“もしかしたら俺、明日ヴァンパイアになるかも!?”って。絶対に無いとは否定出来ないですしね。そこからどんどん映画に引きずり込まれて、とてつもなくぶっ飛んだ世界に巻き込まれていくわけです」とニヤリとしながら魅力を語る。
「噛まれたら、みんなヤクザ。未曾有のヤクザ感染。生き残るのは、誰だ…」。映画『極道大戦争』は6月20日(土)より全国公開。
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(C)2015「極道大戦争」製作委員会
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)