お笑い芸人として活動する一方で、上場IT企業の役員も務めている厚切りジェイソンさん(29)が、5月21日、ツイッターで転職について語った。この日、「iOSエンジニア」だというフォロワーから「転職迷う」という相談が寄せられたのだ。
現在検討している会社は、「今の会社よりもスピード感あり社員全員がサービスを良くしていこうとしてる」とのこと。仕事をする環境としては良さそうだが、給料は今よりも下がってしまうのだという。
将来の年収アップや、やりたいことへの近道になる
この相談に、ジェイソンさんは「スピード感あれば同じ時間に出来ることが増える」と回答し、転職を前向きに検討するよう勧めた。
「下がった給料は自分のスキルアップへの投資と考えれば、将来経済力とやりたいことが近寄る軌道になっている」
スピード感のある会社でスキルを身につければ、将来再び転職したときに年収がアップしたり希望の職種につきやすくなったりする、ということのようだ。ツイッターではジェイソンさんのこの投稿が100回以上リツイートされた。
確かに待遇のいい、まったり系の企業は居心地がいいが、その環境に安住していると自分の成長が止まってしまう。それは自分の将来に対する投資を怠ったのと同じ。早いうちに転職をして少しでも経験を積んだ方が後々自分のためになる、というのは説得力がある。
こうした考え方は、特にIT界隈では主流になりつつあるようだ。「モバツイ」の開発者で想創社代表の藤川真一(えふしん)氏(41)も昨年、「転職は経験を買いに行く人生のタイミング」というコラムを書いて大きな話題を呼んだ。
えふしん氏、森川氏は「もらい過ぎ」の感覚に敏感だった
えふしん氏は、昔いたベンチャー企業では、自分の実力にしては「もらい過ぎかな」と思うくらい給料がよかった。そのため、仕事をしながら実力をつけるために大学院にいくことも考えたが、「同じくお金を投資するなら、転職するのもありではないか?」と考え、年収を下げて転職することを決意した。
その後、160万人のユーザーを獲得する「モバツイ」を開発。多くの経験をすることができ、「人生は間違いなく変わったわけだから、費用対効果は間違いなく高かった」。一時的に年収は下がったが、転職は正解だったようだ。
また、LINEの森川社長(当時)も昨年、日本テレビとソニーという大企業を辞めて年収が半分になるITベンチャーに身を投じた理由について、大企業では仕事の割に「年収がインフレを起こしている気がした」と明かしている。
もちろんこうした考え方にも賛否はある。えふしん氏の記事で「年収を下げる転職」が話題になった際も、ネットでは「納得した」という声がある一方で「霞食っては生きられん」「そうもいかんでしょ、現実的に考えると」と否定的な見方が相次いでいた。
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