スーパーGTを主催するGTアソシエイション(GTA)は5月20日、アメリカのIMSAおよびDTMを主催するITRと、「クラス1」レギュレーションの基本部分について合意に達したことを明らかにした。
GTA、IMSA、ITRの3者は、将来の交流戦開催を目指し、各シリーズに出走するマシンの規格を統一すべく、折衝を進めてきた。このたび、今年最初となる「クラス1」ステアリングコミッティ会議がドイツで開かれ、いくつかの合意がなされたという。
その最大の合意点は、エンジンだろう。クラス1レギュレーション下では、詳細は明らかにはされていないものの、4気筒のターボエンジンを搭載し、出力は約600馬力になるという。
現在、スーパーGTは2リッター直4ターボ、DTMは4リッターV8自然吸気と、異なる仕様のエンジンを搭載、使用している。昨年の9月に日本で行われたステアリング・コミッティの際、DTMが17年から2リッター直4ターボを使用し、スーパーGTに合わせることが明らかにされていた。しかし、この時の会議にはIMSAが不参加。そのため、今回改めて3者による話し合いが行われ、前述の通り「4気筒ターボエンジン」の採用が決まったと思われる。
この合意がなされたことで、交流戦の実現がより近づいたと言うことができそうだ。
また、車両は現在のDTMとスーパーGTのエアロダイナミクスがかなり反映されたものになるといい、今後は詳細部分のテストと開発が開始され、技術的な実現性を確認するという。
スーパーGTとDTMの交流戦の初戦は、2017年シーズン終了後に日本国内で行われることも併せて発表。そして翌18年シーズンの最初に、ドイツでも開催される予定であるという。また、DTMとスーパーGT GT500クラスに参戦中の計6メーカーは、IMSAを含めた3つの統轄団体に、コンセプト作りを委ねることに同意したという。
GTAの坂東正明代表は、「今回の合意により、私たちスーパーGT、DTM、そしてIMSAの2017年以降の発展に向けた協力関係がさらに深まることだろう。Final Race Event(World Final)についての具体的な議論が始められ、統一戦というスーパーGTがDTM、IMSAと協力関係を結ぶに至った大きな目的に、また一歩近づくことを大変嬉しく思っている」と語っている。また、ITRのハンス-ベルナー・アウフレヒト会長も、「あらゆる面で合意することができました。共通の目標の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことができました。様々な大陸から“クラス1”マシンが集まり、競い合う日が来るのが今から楽しみです」とコメントを発表している。
いよいよ動き出した感のある「クラス1」レギュレーション。統一規則下で、いったいどんなマシンが走り出すのか?