5月17日に放送された「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)のテーマは「私、ゆとり世代に怒っていますSP」。これに対して若いネットユーザーから反発の声があがっているのは、すでにいろんなメディアで取り上げているところだ。
これにはオーバー30の筆者も、ゆとりたちを擁護せざるをえない。あらためて経緯を振り返ると、1987年4月2日から2004年4月1日に生まれたこの世代に対して、年上の出演者らは怒りや不満の声をあらわにしたのだ。(文:みゆくらけん)
「二本指のしぐさが分からない」なんていうけど
ゆとり世代のマネージャーに冷酒を頼んだところ、日本酒を水割りにして持ってこられ、呆れたというゲストの佐々木蔵之介。マネージャーは「僕、冷酒なんか飲まないから知りませんよ!」とあっけらかんと言い放ったという。同じくゲストの永作博美は「自分から動かない若者が多い」、「妙に堂々としていて気味が悪い」と可愛い顔して辛口コメント。
この他にもスタジオ出演者らからは、「タバコをくわえる二本指のしぐさをして、マネージャーに『持ってきて』と言ったところ、堂々とペットボトルを持ってくる」「自分が怒られていることに気づかない」「なんでもかんでもスマホで撮ってSNSに載せすぎ」など批判の声が上がった。
また、ゆとり世代の特徴として「怒られるのが嫌、打たれ弱い」「指示通りに動くが自分から動くのは苦手」「上司との酒は断るなどプライベート優先」などが挙げられた。確かに実感として、ゆとり世代の人らの対し、このような怒りや呆れ、不満を抱える人、特に上司などは多いのではないだろうか。
しかし、というか予想通りというか、放送終了後には今回の「ゆとり批判」に対しネットで非難の嵐。「ちゃんとした子もいるのに『ゆとり』とひと括りにするな」「プライベートをおろそかにする方が問題」「好きでゆとり世代に生まれてきたわけじゃねえ!」などという怒りの声が飛び交っている。
でも、いい意味で「媚びる」ことも必要なのでは?
彼らの言い分も理解できる。特に「『ゆとり』をひと括りにするな」という意見に関してはごもっとも。私も何度か感動したことがある。
寿司屋の見習いの坊主頭の男子がめちゃくちゃ厳しい大将の下でめげずに頑張っている姿、大人らが知らぬふりをする中、バスで妊婦に席を譲っていた20代前半の女子。そういった子らもその世代に大勢いることは確かなのだ。
ただ、蔵之介の冷酒の件のような場合、本来は自分の担当の俳優が好む酒ぐらい、先に勉強しておくべきである。ましてや佐々木は造り酒屋の息子。今、目の前にある仕事しか見ないというのではなく、もっと想像力を働かせてほしい。また効率よく仕事をするためには、いい意味で「媚びる」ことも必要なのでは?
番組内では非難されることの多いゆとり世代だったが、準レギュラーのアンジャッシュ渡部は、スポーツ界でこの世代の「物怖じしない」「緊張しない」特徴が武器になっていると評価した。
「世界で戦えているのはこの世代」とし、錦織圭、浅田真央、松山英樹などがその代表で、「コーチのいうことも平気で聞き流せる。結局そういう世代が世界に通用する」と発言した。宮迫には「悲しいこと言うなや。俺らの世代を否定すんのか」と言われていたが。あ。そういや佐々木希もゆとり世代か。
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