子どもに学校を休ませて、平日に家族で旅行に行く――。このテーマにはいつも是非の声がつきまとうが、ネット上でも議論が再燃している。
発端は4月27日発売の「AERA」のようだ。「そうだ、仕事を休もう」という特集が組まれているが、その中で「子どもの学校休み論争」が取り上げられた。
「旅費が安い・空いている」VS「勉学面・部活動」
特集では、CAの女性が小学2年生の長女と「自社便」で安く旅行するために学校を休ませる例や、平日に格安で混雑の少ないツアーに参加したいという主婦の例が挙がっている。一方で、こんな「守旧派」も。
「やすやすと、『休める』感覚を子どもに持たせられない」
「古いタイプかもしれませんが、わが家は休ませません。義務教育で皆勤賞を狙う姿勢は大切だと思っているので」
こうした声にネット上では「学生の優先すべき事は、勉強と部活。学校休ませてまで旅行するなんて、我が家ではナイ」といった意見と、「学校休んで遅れるなんて学畜の考え方」といった意見が分かれている。この記事が配信されたmixiニュースでは、学校を休ませることに反対する意見が多いようだ。
さらに、この特集に興味を持ったのが、元陸上選手の為末大さんだ。5月16日のハフィントン・ポストでは、「学校を休ませて旅行へ行くことに賛成ですか」という投稿をアップしている。
旅費が安いことや、混雑していないことはメリットだが、子どもが学校を休むことで、勉学面や部活動へのデメリットがあるかもしれない。さらに「周囲に知られると…」という不安もあるかもしれない。
「この状況であなたが親だった場合、学校を休ませて旅行に行きますか、それとも行きませんか。理由を添えて教えてください」
「学校に代えられない経験」積ませられるか
この問いかけは、同サイトやNewsPicksなどでも話題になっている。特徴的なのは、ここでは「子どもが学校を休むこと」に関しての反対意見がほとんどないことだ。
スポーツライターの乙武洋匡さんが「まずは子どもの意思確認」と言っているとおり、「子どもと話し合うこと」「行きたいという意思が確認できれば行く」といった声が多く見られる。
親自身が子ども時代に同じような経験をしている人からは、「行くべき」という意見が多く見られる。学校の勉強は「教科書読めばできる」ものであり、それに代えられない経験を積ませるには絶好の機会だという。
「父は私をスキーに連れ出していました。なんのためらいもなくです。いまは存分にゲレンデを滑り回れたことが何よりの家族との思い出です」
「父親にカンボジアとベトナムに連れて行ってもらいました。そこで見た光景は今も目に焼き付いていて、世界が急激に広がると同時にショックを受ける初めての体験でした」
かつて内閣府の調査(2005年)では、「家族旅行をするために平日休ませる」とする人は18.3%だった。2015年に「NewsCafe」が行った調査では、学校を休ませての家族旅行に「アリ」と答えている人は34.7%となっている。
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