フェラーリのチームプリンシパル、マウリツィオ・アリバベーネが、スペインGPでチームが抱えたトラクションの問題をなんとしても解決しなければ、カナダGPは悪夢のような週末になるだろうと語った。
今年フェラーリは序盤5戦までにすでに1勝を挙げ、毎戦表彰台に上り、メルセデスの最大のライバルとなっている。しかし大規模なアップデートを導入したスペインGPでは、メルセデスとの差を縮めることができず、3位に入ったベッテルはウイナーのニコ・ロズベルグから45秒以上の大差をつけられた。
アリバベーネはスペインではトラクションが重要なセクター3でフェラーリは遅く、そこに問題があるのは明らかだと語っている。
「サードセクターはトラクション(がキーになる)セクターだ」とアリバベーネ。
「問題を解決できなければ、カナダではより一層困難に直面することになるだろう。モナコではスペシャルセッティングを採用するからまだいいが」
「トラクションの問題を解決できないままカナダに行きたくはない。悪夢のようなグランプリになるだろうからね」
フェラーリはスペインに新しいボディワークパッケージを持ち込み、ベッテルがそれを決勝で走らせた。ライコネンは新型を試した後で旧型に戻し、これによって「リザルトが犠牲になった」ものの、比較を行うことができてよかったと述べている。
アリバベーネは、新パッケージに改善が見られたのは確かだが、メルセデスと戦うには不十分だったと述べている。
「キミが使っていたマシンと比べると、(新パッケージは)一歩前進していたのが分かる。それでもメルセデスとのギャップを縮めることはできなかった」
「我々にも現実は見えている。最終セクターでコンマ5秒失っていた。私は現実から逃げたりはしない」
「チーム内で比較を行った結果、ソリューションがうまく機能していることは分かっているが、現実を見ると十分ではない」
「原因があのコースなのか、深く分析すべき問題が何かあるのか、理解する必要がある。新パッケージを改善する方法を見つけなければならない。だが新しい方が今までのパッケージより優れているのは間違いない」
今のままではメルセデスとタイトルを争うのは難しいというアリバベーネだが、シーズン前に掲げた「2勝」という目標を達成できる見込みはあると考えている。
「タイトル争いをするというのは少し高望みだ。それでも(シーズン2勝という目標は)達成可能だと今も信じている。だが努力せずに成し遂げられるようなものなど何もない」
「私が気にしているのは表彰台に上れるかどうかではない。実際、毎戦表彰台に上がっている。問題なのは(メルセデスとの)ギャップだ。2回か3回勝つためにはトップに近いところにいなければならないが、今の我々はそういう状況ではない」