WRC世界ラリー選手権に参戦するMスポーツは、来季ドライバーラインナップにティエリー・ヌービルを加えたいと望んでいる。ヌービルは2013年までMスポーツに所属していたが、2014年にヒュンダイ・モータスポーツへ移籍。今季もヒュンダイからWRCへ参戦している。
Mスポーツは、大幅なアップグレードを施した改良型フォード・フィエスタRS WRCを今週末のラリー・ポルトガルに投入する。Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、この改良型マシンには、圧倒的な強さを誇るフォルクスワーゲン・ポロR WRCを打ち負かす性能があると自信をみせている。
「マシンが持つポテンシャルの高さに自信がある。だから、興奮を隠しきれないんだ」とウィルソン。
「今季ドライバーを務めているエルフィン(・エバンス)とオット(・タナク)には何の不満もない。ふたりともラウンド毎に経験を積んでどんどん速くなっているからね。しかし、チームが次のステップに進むには、経験豊富で勝利できるドライバーが必要だ」
「ティエリー(・ヌービル)を獲得するために画策している。この件に関して隠し立てするつもりは全くないよ。チームには新たなドライバーが必要だし、そのための資金も用意できている」
昨年ラリー・ドイツで初優勝を達成したヌービルだが、ベストシーズンはMスポーツに所属していた2013年だ。ヌービルはシーズン後半の8戦中6戦でポディウムを獲得し、ドライバーランキングで1位だったセバスチャン・オジェに続く2位を獲得している。
ウィルソンは「もしヌービルがチームに留まっていれば、オジェに戦いを挑んでいただろう。もちろん、今でも彼にはその才能があると思っている」とつけ加えた。
これに対しヒュンダイ・モータスポーツの代表を務めるミシェル・ナンダンは、ヌービルとチームメイトのダニ・ソルドは2016年もチームに留まると主張している。
ナンダンは「私たちは契約を結んでいる。だから、ティエリーとダニは来年もチームに留まり続けるよ」とコメント。
「ティエリーとは良好な関係を築いている。だから、彼がチームを去る理由は全くないんだ」
チームとの契約には、今シーズン末にチームを離脱できるオプションがあるとみられているが、この件に関し、ヌービルはコメントを拒否した。
ヌービルは「この件に関してあまり話をしたくないんだ。自分の仕事をするだけだよ」と語っている。
「どこに行って何をするべきか、何をしてはいけないかは理解しているよ」
来年に向けたオプションについても、「常にいくつかのオプションを持っているよ。ただ、今はマシンの開発に集中したいんだ。改良されたヒュンダイ・i20 WRCには速さがあるからね」とだけ述べている。
「今の段階では、ヒュンダイに留まることを目標にしている。チームとは良い関係を築いているからね。何度もファクトリーに足を運んでいるから、スタッフのほとんどと面識があるよ」
「それでも、今は自分の仕事に集中したい。シーズンをいい形でスタートできたけど、前戦のアルゼンチンはひどい結果だった。チャンピオンシップで失った順位を取り戻すことに集中したいんだ」