フォース・インディアのチーム副代表ボブ・ファーンリーは、先週のF1ストラテジーグループ会合において、ビッグチームはコスト削減のための対策を取るつもりはなく、その代わりにカスタマーカーおよびサードカー導入を検討していることがはっきりしたと明かした。そのためビッグチーム以外はいかにしてF1で生き残るべきか、大きな選択を迫られることになるという。
14日、F1ストラテジーグループ会合においてFIA、FOM、6チームの代表はF1のショー的要素の向上やコスト削減に関する提案について協議した。翌日にFIAが声明を発表、2016年にはドライタイヤをチームが自由に選択することを許し、2017年にはより速いマシン、レース中の給油の復活、高回転のエンジンとより大きな音、アグレッシブなルックスのマシンを実現するといった案について合意に達したことが明らかになった。
この声明においては、「F1を持続させるための包括的な提案がなされた」こと、「ストラテジーグループのメンバーチームは、今後数週間のうちに他のチームと相談し、この提案の改善に努める」ことが記されていたのみだが、コンストラクターズ・チャンピオンシップ・ボーナス(CCB)チームによるサードカー案およびカスタマーカー案が、コスト制限案より優先されることになったようだ。
これが実現すると、ビッグチーム以外は、自分自身で財政面の問題を解決してコンストラクターとしてチームを運営していくか、カスタマーカーを走らせるか、さもなければ完全にF1から撤退するかを選ぶしかなくなると、ファーンリーは述べている。
「基本的にはっきりしたのは、コスト制限導入のための構想は今後検討されないということだ」とファーンリー。
「収入の公平な分配も、エンジンのコストを削減することも、検討されることはない。今後チーム数が減るようなことになればサードカーが導入されるだろう。カスタマーカー計画の評価も行われる予定だ」
「我々が今後やるべきことははっきりした。我々インディペンデントチームはビジネスモデルを見直し、生き残る道を見つけなければならない。それはザウバー、ウイリアムズ、ロータス、マノーも同じだ」
「この構想によると、カスタマーチームになることがインディペンデントチームにとっての第一の選択肢になる」
「もちろんコンストラクターであり続けることはできる。誰もその立場を取り上げたりはしない」
「しかしF1のコストが上がり続ければ、他に選択肢がないのが難しいところだ。コンストラクターとして競争力を発揮するのは困難になるからだ」
「それが問題だ。戦うことと、ただ参加することは全く違う」
「我々としてはカスタマーカーというアイデアが正しい方向性だとは確信していない。しかしそういう方向に進むことになったのは事実だ」
「だから我々としてはコンストラクターの立場でい続けるために調整を行うか、カスタマーカーのプロセスを受け入れるかのどちらかだ」
「インディペンデントチームは大きな決断を下さなければならなくなる。彼ら(ビッグチーム)がカスタマーカーのプランをどれだけ早く推し進めるかにかかっている」
フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、レッドブルは、次回のストラテジーグループ会合に向けて、カスタマーカープランの実現可能性について検討するものとみられる。この会合で合意に達した場合、F1コミッション会合での承認を経て、カスタマーカーが2017年にも導入される可能性がある。