2015年のニュルブルクリンク24時間を制した28号車アウディR8 LMS 第43回ニュルブルクリンク24時間耐久レースは、17日16時にチェッカーを迎えた。中盤から続いた三つ巴の戦いをクリストファー・ミース/ニコ・ミューラー/エドワード・サンドストローム/ローレンス・バンスール組28号車アウディR8 LMSが制し、アウディが2年連続優勝を飾った。
今季も多くの観衆が見守る中、グランプリコースと北コースを組み合わせた1周25km超の舞台で争われたニュルブルクリンク24時間レース。夜を迎える頃に降り出した雨でアウディ勢がリードを奪うも、夜のうちに複数台が戦線離脱。朝を迎える頃には28号車アウディ、BMWスポーツトロフィー・チームマルクVDSの25号車Z4 GT3、そしてファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3Rという3台に優勝争いが絞られはじめた。
夜が明け、日が出てからも3台は同一ラップで緊迫した争いを続けたまま、レースは終盤へ。残り4時間でスピンするシーンもあったものの、わずかながらにリードを保った28号車アウディは、最後はミースにステアリングを託しファイナルスティントへ。25号車はマキシム・マルタンがステアリングを握り、1分近くの差のまま残り1時間の争いに入っていった。
しかし、最後まで28号車アウディは首位を譲らず、25号車BMWに対して40.729秒差というマージンでトップでチェッカー! 新アウディR8 LMSがニュル24時間耐久デビュー戦で優勝を飾り、アウディはこのレースを連覇。覇権奪還に燃えたBMWだが、惜しくも涙を呑むこととなった。3位には44号車ポルシェが入っている。
日本勢では、アレックス・バンコム/星野一樹/ミハエル・クルム/ルーカス・オルドネス組ニッサンGTアカデミー・チームRJNの35号車ニッサンGT-RニスモGT3が、ほとんどトラブルらしいトラブルなくジワジワとポジションを上げ、最後は23号車メルセデスがストップしたこともあり、見事シングルフィニッシュとなる9位を獲得。日本車最上位となった。
TOYOTA GAZOO Racingの影山正彦/石浦宏明/大嶋和也/井口卓人組53号車レクサスLFA Code Xは、GT3カーに続くポジションにつけ続け、SP-PROクラスの他2台のライバルたちが脱落した後は総合順位に注目が集まることに。途中ミッショントラブルにも見舞われたが、しっかりと完走を果たし総合14位、クラス優勝でレースを終えた。
また、急遽乗り込んだ山内英輝が素晴らしい走りを披露したSTIの114号車スバルWRX STIは、コンディションがドライとなってからも快走。山内がアンカーを務め、総合19位、SP3Tクラス優勝を果たした。また、SP3TクラスではTOYOTA GAZOO Racingの木下隆之/佐藤久実/蒲生尚弥/松井孝允組187号車レクサスRCがWRX STIに続きクラス2番手につけていたものの、電気系トラブルに見舞われ終盤失速。アウディTT勢にかわされ、クラス4位となった。
奥村浩一/浜野彰彦が乗り込んだ154号車ルノー・クリオは総合57位、SP3クラス2位を獲得。桂伸一が乗り込んだ48号車アストンマーチンGT12は総合98位、クラス3位。瀬谷隆/下島洋介が乗り込んだ312号車BMW M325iは総合85位、クラス8位となった。梅本淳一が乗り込んだ148号車ルノー・クリオは総合128位、SP3クラス11位。トランジット・エンジニアリングの大井貴之/山下潤一郎/関豊/加藤彰彬組168号車BMW M3は夜間にクラッシュ、総合145位という順位がついている。