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A.B.C-Z、テレビ披露の「奇行」はほんの一部? 新作にも反映された各メンバーの個性

2015年05月17日 15:31  リアルサウンド

リアルサウンド

 A.B.C-Zの2ndアルバム『A.B.Sea Market』が5月13日にリリースされた。アクロバットを得意とする彼らは、ジャニーズでも異例のDVDデビューという形を取り、ノーカットで撮影するワンカメショーのMVを収録するなど、常に新しいパフォーマンスの表現方法を開拓してきた。そんな彼らのCDアルバムは、メンバープロデュースがテーマ。メンバーのオリジナルソロ曲も収録されている。


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 A.B.C-Zといえば、先日オンエアされた『アウト×デラックス』(フジテレビ)において、塚田僚一、戸塚祥太のふたりがジャニーズらしからぬ奇行ぶりを披露し、話題になった。だが、放送されたふたりのアウトな部分は、ほんの一部にすぎない。なぜなら、このふたりは自身のことを決して変なことをしていると思っていないからだ。本人に自らの奇行を披露させるのは、そもそも難しい話だったのではないか。さらに、塚田と戸塚だけではなく、A.B.C-Zというグループがいい意味で、ちょっと変わっている。


 まずは、『アウト×デラックス』のレギュラーになるのではないかと思われるほど、インパクトを残した塚田。コンサートでは会場の花道をバック転で縦断するほどの身体能力の高さを誇るが、彼の“アウトな行動”はとどまることを知らない。しかも、その奇行ぶりは同世代のKis-My-Ft2にも多大な“迷惑”がかかっているのだ。たとえば、キスマイの宮田俊哉とはプライベートでごはんに行くほどの仲の良さ。しかし、「宮田の地元の友だちの集まりに、なぜか呼んでいない塚田が参加していた」や「玉森裕太と3人でご飯に行くと、浅い洋楽の知識で必死に玉森に対抗して汗だくになっていた」などの話が飛び出す。さらに、「藤ヶ谷太輔が後輩のジャニーズJr.たちのために、自分の服をあげようと持ってきたが、一番前のめりで参加したのが塚田」などなど。アルバムでもソロ曲「 DARKNESS(LOVEです☆ver.)」が、「塚だぁくねす feat. 塚☆リカ」という謎のユニット名で収録されており、ビジュアル系バンドのような野太い声で熱唱している。塚田ワールドは、今後もとどまることを知らない。


 そんな塚田の次なる刺客として紹介されていた戸塚も、本当はもっとアウトな素質を備えている。「突然、ブーツを履いている自分がイヤで全部捨てた」や「なんの説明もなく『Mステ』でジョン・レノン風の丸メガネで登場」、「青信号で止まり、赤信号でダッシュで渡ろうとして止められた」など、彼の奇行は人を巻き込む塚田に比べて、自分に向かっているのが特徴。端正な外見とは裏腹に、マグマのようなエネルギーを突如噴火させるタイプだ。しかし、アルバムでは「ドラマ」というさわやかなソロ曲を披露。そんなギャップしかない戸塚にハマると、なかなか抜け出せないのがファンの心情だろう。


 この2人に比べたら普通に感じる残りの3人だが、実はセンターを務めるいわばイケメン枠の橋本良亮もかなりの天然キャラ。カタカナ表記に関しては高確率で言い間違いをし、たんぽぽをドクダミと間違えるなど、世間知らずな一面も。さらに、思ったことをストレートに発言するタイプなので、自由な塚田と公の場で言い争いのケンカを始めることも珍しくない。永遠の少年のような橋本だが、その甘い歌声は大人の男の魅力を放つ。ソロ曲「Stay with me♡」では、そんな彼のむじゃきでまっすぐなラブソングを楽しめるはずだ。


 さらに、5人でいるときは口数が少なく、メンバーのワチャワチャを見守っているように見える五関晃一。先日のSexy Zoneのコンサートでも振り付けをレクチャーして、2グループの関係性を深めた偉業を遂げたばかり。今作のリード曲である「Shower Gate」でも振り付けを担当し、淡々と仕事をこなす職人気質な男だ。しかし、五関もグループ内でいえばボケ担当。コンサートで女装をして「ゴセ子」として登場したり、今作の特典DVDでも「ダンシング五関先生のダンス教室」として謎のキャラに扮しているので注目だ。


 最後に、A.B.C-Zの司令塔ともいうべき存在の河合郁人も忘れてはならない。彼は自らボケもこなしつつ、天然キャラの多いグループのツッコミ役もこなす。ジャニーズ内の先輩をモノマネする文化は彼が根付かせたといってもいいだろう。SMAPの木村拓哉本人の前でモノマネを披露した鋼のハートの持ち主でもある。そんな河合が、ソロ曲「未来は明るいかい?」では作詞に挑戦。「河合は可愛いかい?」という韻を踏んだ遊び心いっぱいの歌詞に仕上がっている。


 そう、A.B.C-Zというグループは、知れば知るほどくせになる魅力を持っている。メンバープロデュースという今作を通じて、ぜひ多くの人に、そのスルメ的な味わい深さを知ってほしい。(佐藤結衣)