第43回ニュルブルクリンク24時間レースは、スタートから14時間ほどが経過したが、レースはサバイバルの様相を呈している。
曇天のもとスタートした今季のニュルブルクリンク24時間は、序盤こそ予選から好調だったBMW Z4 GT3勢が三つ巴のトップ争いを展開。それに新型R8 LMSを投入したアウディ勢が続いていき、プライベーターのポルシェ911 GT3R勢、メルセデスベンツSLS AMG GT3勢が好調で上位争いに絡む展開となっていった。
しかし、薄暗くなりはじめた20時頃からトラブルが多発しはじめる。3番手を走行していたブラック・ファルコンの2号車メルセデスの右リヤタイヤがはずれたり、多くの箇所でクラッシュやスピン、トラブル等が多発。23時頃からはノルドシュライフェで強い雨が降り始め、BMW勢の中ではシューベルトの19号車が23時頃にリタイア。序盤クラッシュした20号車もリタイアを喫した。
これで上位に進出してきたのは、早めにウエットタイヤに交換したアウディ勢。スタート後8時間という頃には昨年覇者であるフェニックスの1号車を先頭にWRTの28号車、フェニックスの4号車と、新アウディ勢がトップ3を占める時も。
しかし、フェニックスのアウディ勢は夜の間に次々とトラブルに。4号車がエキゾーストのトラブルに見舞われてしまい、1号車はプランツガルテンでクラッシュ。戦線離脱となってしまう。これで首位争いは、残った28号車アウディとBMWスポーツトロフィー・チームマルクVDSの25号車、26号車BMW Z4 GT3、そしてファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ、ブラック・ファルコンの5号車メルセデスといったところ同一周回だ。
一方、極めて順調なレースを戦っているのが日本勢だ。ニッサンGT-RニスモGT3勢はリストリクター径の影響でパワーが絞られているというが、序盤からスティントを長めにとり、大きなトラブルもなく周回を続けている。
ニッサンGTアカデミー・チームRJNの35号車は、星野一樹が雨の中を乗り切り着々とポジションアップ。レース半分を過ぎ、トップ10を狙う位置までつけている。また、シュルツ・モータースポーツの21号車も35号車の背後に続き、揃って上位に進出した。
また、SP-PROクラスのレクサスLFA Code Xは直接のライバルであるマンタイのポルシェ911 GT3 RSRが戦線離脱してからは、クラス内での直接の戦いはほぼなくなってしまったが、夜にホイールのトラブルに見舞われたほかは順調に周回。総合でもトップ20圏内に入ってきた。
さらに驚異的なポジションにつけているのが、夜半過ぎからずっとLFAのうしろの総合順位につけている、STIの114号車スバルWRX STIだ。濡れた路面でポテンシャルを発揮し、トラブルもアクシデントもなく安定して周回。クラス首位を快走し、さらに総合でも20番手前後につけている。ライバルのアウディTT RSが後方から一時追い上げてきたが、逆に夜明けとともに間隔が広がった。
奥村浩一/浜野彰彦が乗り込む154号車ルノー・クリオも現在クラス3位を周回中。ただ、大井貴之/山下潤一郎/関豊/加藤彰彬組168号車BMW M3は、夜間にクラッシュを喫してしまっている。