漫画家でタレントの蛭子能収さん(67)が、週刊誌『女性自身』で人生相談に答えている。中でも4月29日にYahoo雑誌に掲載された内容が、「妙に納得して笑ってしまった」などと話題になっている。
蛭子さんに質問を寄せたのは、新入社員の22歳だ。4月に入社したが仕事がイヤになってしまい、辞めようと思っているという。「蛭子さんのように、自由気ままに生きていきたい」と、入社1か月で退職待ったなしという様子だ。
「じゃあ、仕事を辞めて競艇場に行けば」
2015年卒の新入社員に向けた調査(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)では、「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」(52.4%)が、「出世したい」(47.6%)を上回っている。特にこの傾向は女性に強く、4人に3人の割合で「好きな仕事を~」と回答している。
蛭子さんに質問した新入社員の性別は分からないが、掲載誌が『女性自身』であることから女性かもしれない。しかし、そんなことはお構いなしに、質問者に対して「じゃあ、仕事を辞めて競艇場に行けばいいんじゃないですか?」と答えている。
蛭子さんはテレビ番組で「総額は1億円いっている(負けている)と思う」と答えるほど無類の競艇好き。なぜそこまで「熱く」なるのかというと、「ふだん仕事で競艇場に行けないことが多いから」なのだという。
仕事については「楽しいと思ったことがありません」「いいことなんかひとつもありませんよ」とネガティブ。それでも働いているのは「自由に生きるため」の一点だ。だからこそ、こんなふうに独自の哲学を披露している。
「仕事でやりがいや生きがいを見つけようとするのが間違い。働くことに意欲を求めるのがおかしいんです。仕事で輝くという人生は変。人は、競艇場で輝くために働くんです」
仕事は「お金を稼ぐためのもの」でしかない
「競艇場で輝くため」というのは、蛭子さんらしい回答だ。ツイッターやネット掲示板などでも「全人類が競艇好きって前提かいw」「大体いつもオチはこれ」といったツッコミの声もあったが、意外にもこの考え方には賞賛の声が多い。
「競艇場を好きなものに置き換えればいい」
「正論なんだが、最後にしれっとギャンブルを絡めていてワロタwww」
「蛭子さん、珍しく良いこと言ってるなw」
趣味や好きなことを仕事にすべきかどうかは、いつも議論が分かれるところだ。そういう意味で蛭子さんにとっての仕事は「お金を稼ぐためのもの」でしかなく、ある意味達観しているともいえる。その点に共感している声は多い。
「金を使う為に金を稼ぐんだって事か 面白いね」
「仕事なんて金もらうためだもんな。生きがいだのくだらないわ」
「ステップアップとか言ってもせいぜい600万円が1100万円になるくらいなら、オンとオフを分けてそんなに仕事に入れ込まないほうがいい」
「やりがい」標榜するブラック企業に言及する人も
中でも言及が多いのは「ブラック企業」についてだ。蛭子さんが言及している「やりがい」「生きがい」と仕事を同一視する考え方は、ブラック企業の触れ込みに多く使われる手法だ。しかし蛭子さん流の仕事観では、仕事で輝くのは「変」。「夢の為に働けだなんて、そんな言葉ありえない」といった声は多い。
もちろん中には「俺は仕事楽しいけどな」「趣味で金貰ってるようなもん」といった声もある。ニュースサイト「しらべぇ」が全国1500人に行った調査では、「好きなことを仕事にすることができた」と回答している人は33.0%だった。
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