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医療的モチーフをパターンで表現、クロマがポケットに手を入れるとカプセル型になるコート発表

2015年05月14日 13:42  Fashionsnap.com

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コールドスリープコート Image by: Fashionsnap.com
鈴木淳哉と佐久間麗子が手がける「クロマ(chloma)」が、2015-16年秋冬コレクションを発表した。「ア ンチウイルス(anti-virus)」をテーマに、医療的なモチーフをデザインに落とし込んだアイテムを製作。その中で「コールドスリープコート ロング」と命名したポケットに手を入れるとSF作品に登場する装置「コールドスリープ」のシルエットになる独自のパターンで作られたコートを披露した。

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 2015-16年秋冬コレクションでは、注射器のグラフィックをプリントした「AID パーカー」や手術室で機械や器具を覆ったり患者に掛けたりする布「オイフ」から着想を得た「OIFマフラー」など医療に関するモチーフをデザインで表現。絵柄でテーマに沿ったモチーフを表すことは一般的だが、クロマは一歩踏み込んでパターンでもテーマ性を追求しており、今回ポケットに手を入れるとSF作品などに登場する人体を低温状態に保ち老化を防ぐ装置「コールドスリープ」の形になるコートを製作。大きめのスラッシュポケットに腕を伸ばした状態で収めることができ、ドロップショルダーで丸みを帯びたスクエア型のシルエットになるよう仕上げている。
 生地にはウールやナイロン、カシミアが入り、前立てはマグネットで開閉できる作りになっている。また後ろ身頃には切り替え線が入っており、デザイナーの鈴木淳哉は「女性は臀部を冷やすと婦人科系の部位に不調をきたす恐れがあるということなので、後ろ身頃裾に綿を入れ保温性を高めました」と医療から繋がる「種の保存」をデザインで表現したという。価格は8万円(税別)。
 クロマは、画面の中の世界とリアルの世界を境なく生きる現代人のための環境と衣服を提案するファッションレーベル。思想家の東浩紀編集「思想地図β3」でのオリジナルコスプレ衣装やきゃりーぱみゅぱみゅ等のアーティストの衣装、最近ではSSTV開局25周年×攻殻機動隊25周年×日本科学未来館のコンサートイベントに登場した美少女アンドロイドの「ASUNA」が同ブランドの衣装を着用し話題を集めた。
2015-16年秋冬コレクション特設サイト