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戦後70年の今こそ考えたい なぜ、真珠湾攻撃という“史上最悪の愚策”に進んだのか?

2015年05月13日 19:02  新刊JP

新刊JP

戦後70年の今こそ考えたい なぜ、真珠湾攻撃という“史上最悪の愚策”に進んだのか?
●この戦争の歴史を「当事者の声」から学ぶ
 先の大戦での敗戦から70年という節目を迎えた2015年。
 元外務省国際情報局長の孫崎享氏が、「真珠湾攻撃への道」を問い直す『日米開戦の正体』(祥伝社)を上梓しました。

 今年、新年にあたって宮内庁は「天皇陛下のご感想」を発表しました。そこには、「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています」と、戦争の歴史を振り返り、学ぶことの重要性を説く言葉が並びました。

 1941年12月8日未明(日本時間)、ハワイ・オアフ島の真珠湾から始まった日本とアメリカの戦争。
 この「真珠湾攻撃」は、“歴史上最悪の愚策”といわれています。
 それは、当時国策に関わった人たちの間に「勝てる見込みがない」と状況を判断する声があったにもかかわらず、突き進んでいったからです。しかも、日本から仕掛けたのです。

 本書『日米開戦の正体』では、皇族、軍人、政治家、外務官僚といった、国策に関わった当事者たちの「生」の声を紹介しつつ、日露戦争の勝利(1905年)から始まっていた「真珠湾攻撃への道」の真相に迫ります。「日米開戦」についてはこれまでも多くの書籍が出版されてきましたが、膨大な資料から当事者の声を検証し、その真相を解き明かしていくアプローチは、本書が初めて試みるものです。

 「なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか」――この疑問に、日露戦争の勝利、日中戦争、当時の世の中、開戦反対の声、暗殺と謀略などの視点から、綿密に俯瞰しつつ、わかりやすくひもときます。

●今、私たちは歴史の曲がり角にある
 原発の再稼働、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加、消費税の増税、集団的自衛権、特定秘密保護法など、日本のあり方を根本的に変える動きが起こる今、私たちは歴史の曲がり角にいるのではないか――と著者は指摘します。そして、「こんな時代はなかっただろうかと考えてみると、まさにありました。真珠湾攻撃のときでした」と考え、本書の執筆を始めたそうです。

 歴史にはいろいろな選択肢があった、異なった道があった。その中でなぜ真珠湾攻撃という選択をしたのか。戦後70年の今こそ、真珠湾攻撃へ至る日本と世界の歴史を検証し、この「なぜ」を徹底的に考える。本書はそのための決定版です。

 「なぜ」を歴史から学び、考えていくことだけが、本当の意味で日本の今と未来をつくる唯一の方法かもしれないと、読後、深く考えさせられました。この本は、間違いなく衝撃の書であり、必読だといえるはずです。
(新刊JP編集部)