アウディの取締役会会長ルパート・シュタートラー氏が、F1参戦は同社にとって将来の選択肢のひとつであると明言した。
先月、フォルクスワーゲンの会長を務めたフェルディナント・ピエヒ氏が辞任したことにより、同社グループのブランドがF1に参入する可能性が高まっていると考えられている。
これまでフォルクスワーゲン傘下のアウディ、ポルシェなどのF1参戦のうわさは何度も報じられてきた。しかしピエヒ氏とF1の商業面のボス、バーニー・エクレストンには確執があり、それがフォルクスワーゲン・グループのF1参戦を妨げる理由のひとつであると考えられていた。
だが幹部体制が変わることに伴い、モータースポーツプログラムに変更が加えられる可能性があると推測される。
イギリスのAuto EXPRESSが11日に掲載したインタビューにおいて、アウディのシュタートラー取締役会会長が次のように発言している。
「人生においては物事の可能性を閉ざすべきではない。我々はいくつものモータースポーツプロジェクトで成功を収め、すでに手いっぱいの状態だ。だがF1に関しては様子を見ていく。アウディにとってひとつの選択肢だ。今はその時でないにしても、選択肢のひとつであることは確かだ」
インタビューを行ったAuto EXPRESSのコラムニストは記事中に、「非公式な情報では、(アウディは)必ずやレッドブルと提携することになると聞いている」「弁護士が現在同意書を作成中のようだ」と記し、「もしアウディがF1に参戦しなかったら自分のレーシンググローブを食べてみせる」とまで言い切っている。
以前から、アウディはレッドブル・レーシングを買収してF1に参戦することを計画しているとの報道がなされている。
BBCによると、スペインGPの週末、レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコは「近い将来に競争力の高いエンジンが手に入るか、アウディが参戦してこなければ、我々は(F1から)出て行く」と発言したという。
今年レッドブルはルノーのパワーユニットへの失望を繰り返し表している。ただ、マルコはアウディとの間で正式な交渉を開始したわけではないと述べている。