遊び・体験のインターネット予約プラットフォーム「asoview!」を運営するアソビューは、サービス開始から丸4年で従業員100人の規模に成長したネットベンチャー企業だ。旅行要素のうち「現地での体験」に絞った予約サービスとして、利用者を増やしつつある。
掲載された「体験プラン」は6000件にのぼり、エリアやジャンルから検索して比較検討もできる。2015年4月には、大手旅行会社のJTBと資本・業務提携を行って注目を集めた。そんなサービスを提供するのはどんな会社なのか。広報の丹羽一与さんに内情をレポートしてもらった。
電話が主流の「体験予約」をネットで可能に
当社は「日本最大級の遊び・体験の予約サイト」として、地域を支える地元の人々とネットワークを築き、その土地ならではの魅力を日本全国の利用者に提供しています。
これまでインターネット上には、旅行の要素である「移動」や「宿泊」の予約プラットフォームはありましたが、「現地での体験」を予約することができませんでした。当社の「asoview!(アソビュー!)」によって、旅行を自由にカスタマイズすることができます。
予約できるのはパラグライダーや陶芸体験など、自然や文化を活かした遊びや体験が中心。3年ほど前に28店舗の事業者と一緒に始めたサービスは、現在約2700店舗と提携し、約6000件ものプランを掲載するまでに成長しています。
代表の山野智久は1983年生まれの32歳。大学在学中にフリーペーパーの運営を主催し、リクルートで新規事業開発などを経験した後に独立。2012年7月に「アソビュー!」をリリースしました。
そんな若い会社を創業期から会社を支える1人が、新卒2年目の野々松秀和。学生時代から当社のインターンとしてサービス立ち上げに参加。卒業後に正社員として入社し、新卒1年目で大阪支社の立ち上げに携わり、支社長を担っています。
地元の人たちと膝突き合わせ語り合うことも
野々松は就活中に複数の大手企業から内定を得て、他社への入社をほぼ決めていました。最終的に当社への入社を決めた背景には、学生時代にヒッチハイクで日本一周をした経験があったそうです。
海外での留学生活を通して「自分が日本のことを何も知らない」と気付いた野々松は、2か月間かけて日本全国を回る旅に出ました。その経験を通じて、日本全国には「魅力的な体験」がまだまだ数多く眠っていることを知ります。
「高知の漁師がドラム缶で焼いてくれたカツオは本当においしかったし、寝袋から眺める岩手の星空は見たことがないほどきれいだった。日本にはこんなに素晴らしい場所や体験がたくさんあるのに、あまり知られていないことがとても残念でした」
いまでも商品開発のときには、地元の人たちと膝を突き合わせて一緒に熱く語り合うことも。そんなやりとりの中から「徳島の激流を下るラフティング」や「会津で400年の歴史を持つ窯元での陶芸体験」といった新しい発見がありました。
地域の観光情報は、すでにチラシや現地の看板、事業者独自のウェブサイトなどで提供されていますが、埋もれてしまっていることが多いもの。分散した情報をまとめ、ワンストップでオンライン予約に対応することを目指すサービスですから、地元の方々の協力が欠かせません。
こうした地元の方々との距離の近さは、当社最大の特徴とも言えます。訪問時には夕食に招待していただき、そのまま泊まらせていただくという一幕も。インターネット企業でありながら人と人との血の通った付き合いができることも、従業員のやりがいにつながっています。
遊びも仕事も「やりきる」社風
このような事業を行う当社ですから、社員たちはみな遊び好き。会社の行動指針に「遊びに熱狂する」というものを掲げるほどです。休日明けの朝会で感想を共有したり、社員同士で「アソビュー!」に掲載している遊びプランを実際に体験しに行ったりすることもあります。
私たちが遊びに熱狂することは、利用者視点でサービスを充実させる原動力になるのはもちろん、仕事面でも「やりきる」社風につながります。山野をはじめとする創業者メンバーが仕事も遊びも結果にこだわるのを見て、野々松は「自分もやりきれる人間になりたい」と思ったそうです。
私たちが挑戦を続ける分野は、まだまだ未開拓の市場。だからこそ、会社としても所属する個人にとっても、できることや成長の余地は無限にあります。一人でも多くの人にワクワクを届けられるよう、マーケットリーダーとして一緒に成長しましょう!
【プロフィール】アソビュー広報室 丹羽 一与:1985年生まれ。東京都出身。法律事務所でのパラリーガル(法律補助職)、秘書業を経て、2014年にアソビュー(当時はカタリズム)に製作・サポートデスクとして入社後、広報に着任。ベンチャー企業の魅力を日々PRしている「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。