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虎屋ギャラリーで美しい和菓子の展覧会開催

2015年05月12日 00:02  オズモール

オズモール

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赤坂の虎屋に和菓子の資料が保管される「虎屋文庫」があること、知っていた? 和菓子文化の伝承を目的として1973年に創設されたこの資料室では、虎屋ギャラリーで関東と関西の和菓子を比べる「和菓子の東西」や、江戸時代の旅人が各地で食べた菓子を紹介する「和菓子で楽しむ道中日記」など、和菓子にまつわる企画展を開催してきた。

この虎屋ギャラリーがビルの建て替えのため、約3年間の休館に入るとのこと。その前に、2015年5月20日から6月16日まで、これまでの展示をまとめた大回顧展「虎屋文庫のお菓子な展示77」が開催される。これまで開催してきた全77回の展示会を振り返る内容で、菓子や展示案内状などを展示するとともに、失敗談や裏話などもたくさん紹介されるそう。

これまでの展示会で力を入れてきたテーマの1つが、“歴史上の人物と和菓子”。今回は、琳派の代表的な画家、尾形光琳が虎屋に注文したという10種類の和菓子から、「色木の実(写真上)」と「友千鳥」の2種を400年前の御用記録とともに展示する。



また、源氏物語を和菓子と雅な料紙(平安朝和紙)で表現した第70回資料展「源氏物語と和菓子展」も人気を博した展示だという。写真は若紫(後の紫の上)が雀を入れておいた伏籠(ふせご)を思わせる薯蕷饅頭「若紫」。

第75回の「蘇る 江戸~明治の和菓子の世界」展では、和菓子研究家・吉田隆一さんの菓子資料コレクションが展示された。その時紹介された資料の中から「二口屋の井籠(ふたくちやのせいろう)」が再登場。この展示の際に、これが虎屋と縁のある江戸時代の名店、二口屋の井籠(菓子を運ぶ容器)を塗り直したものだったことがわかったそう。


また、展示菓子の中から「招福袋」と「宝来袋」(各486円)を限定販売するという嬉しい企画も。「福」と「宝」の焼き印を押した袋はういろうでできており、もちもちした食感と、ほんのりとした甘さが口の中に広がる仕上がり。白い「招福袋」は紅餡、赤い「宝来袋」は白餡と、おめでたい紅白の取り合わせで、「宝来袋」の白餡は生姜入りだとか。福を届けるめでたいおみやげとしても喜ばれそう。

食べるのはもちろん、見ているだけでも楽しい和菓子。その世界の奥深さをかいま見ることができる展示、興味を持ったら足を運んでみて。