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TPPによる米製造業への影響は?NIKEがオバマ大統領の政策を支持

2015年05月11日 18:52  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

オレゴン州ナイキ本社 Image by: Fashionsnap.com
5月8日、オバマ米大統領がオレゴン州の「ナイキ(NIKE)」の本社を訪問し、環太平洋連携協定(以下TPP)に対しての演説を行った。この政策にナイキは支持を表明し、TPPが新たな雇用を創出することを強調した。オバマ政権は、スポーツ用品大手企業からの支援により国会での早期承認を目指す狙い。


ナイキがオバマ大統領のTPP支持の画像を拡大

 オバマ大統領は演説の中で、TPPは米国企業の輸出と雇用を創出するとともにサプライヤー国にも利点があることを強調。TPPを実施することで「交渉を進めているベトナムでは最低賃金が設けられ、労働者が組合を組織することが初めて可能になる」とし、TPP参加国の労働環境を守る動きが活発になると訴えた。ナイキCEOのマーク・パーカー(Mark Parker)は、TPPが実現すれば「製造の拠点をアメリカ国内にも設け、今後10年間で1万人の雇用を創出する」と支持を表明し、米政府は雇用の海外流出の懸念に対し、企業の賛同を得た形で対策案を発表した。しかし、米ニュース専門局CNNはTPPにより製造業の低賃金国への移行が加速し、国内生産に注力しているブランドについて競争力の低下は免れないと分析。また同局は、民主党のバーニー・サンダース議員が大統領宛の書簡の中で、「TPPの実施によって単にナイキの利益拡大と幹部の待遇がさらに良くなるだけだ」と企業と政府の癒着を指摘しており、米国国内でもTPP反対の声があることを報じた。