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新入社員の5月病対策に「情けない」とクリス松村 社長自ら「交換日記」や「家庭訪問」まで…

2015年05月07日 15:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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ゴールデンウィークもいよいよ終わり、「5月病」になる新社会人がチラホラ出てくる時期がやってきた。5月病とは新しい環境で張り切っていた人が、急に無気力になったり心身ともに疲れやすくなったりする、鬱にも似た症状のこと。

新入社員の中には、これが原因で早期離職をする人も少なくないとか。5月6日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、このような新入社員の早期離職を食い止めようと、あの手この手で対策をとる中小企業の新聞記事が紹介された。(文:みゆくらけん)

「つなぎ止めても会社が良くなるとは思えない」

記事によると、名古屋市内の自動車販売の会社では、新入社員と会社との距離を縮めるために、社長自ら家庭訪問を毎年実施。家を訪れた社長は、社員本人と家族に会社の経営方針や事業内容を説明しているのだという。

同社ではこのほかにも、入社式でひとりずつ直筆の手紙を贈ったり、社員の誕生日に電話を入れたりしている。

同じく名古屋市の印刷会社では、新入社員に職場での悩みなどをノートに書かせ、社長がアドバイスを返す「交換日記」を毎週続けている。両社とも、早期離職の原因をコミュニケーション不足とした対策である。

この記事に対し、ゲストコメンテーターのクリス松村は「聞いていて情けない。なんでこんなにすり寄らなければいけないのか分からない、若い子たちに」と苛立ちをみせた。

「辞められては困るから」という会社側の意図についても、やる気がない社員を無理矢理つなぎ止めても会社が良くなるとは思えないとし、こう言い切った。

「だって興味がないから辞めたいと思っているわけだし。本当に(その仕事が)やりたいと思ったら、極端な話、悪い条件でもやる」

妥協した若者がぶつかる「最初の壁」か

確かにクリスが言うように、あの手この手で躍起になって社員の早期離職を食い止めても、仕事へのモチベーションが上がらなければ、会社にとってよい結果が生まれるとは思えない。

コミュニケーション不足の解消で離職率が下がることはあっても、肝心なのは仕事への熱意。「社長が社員ひとりひとりを見てくれる熱い人」ということが、仕事への熱意に直結するかどうかは少々疑問だ。

しかし、早期離職率が高いとか注意しただけで心が折れるとか、若者は本当にメンタルが弱くなっているのだろうか。家庭訪問や交換日記というのは「心のケア」である。就職難の中で努力と縁あって入れた会社でも、そこまでケアされないとすぐに辞めたくなってしまうのだろうか? 根性の問題か? 甘えか?

もしかすると、この就職難の中、妥協なくては入社できなかった社会人が、妥協したがゆえに陥った入社後最初の壁なのかもしれない。いまどき本当に希望する職種や第一志望の会社に入れる人は少ない。だから入社しばらくして「やっぱりこんなはずじゃなかった」と思い悩むのは十分にあり得ることだ。

―――理想と現実のギャップ。それに改めて気付いたこの時期に、「現状の中にやりがいを見つけていく」という結論にいかなかった人らが、早期離職を考えるのかもしれない。

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