すでにチームから発表されたように、マクラーレン・ホンダがスペインGPからマシンのカラーリングを変更した。バルセロナのピットガレージにも5月6日に新カラーリングのマシンが到着。公式スケジュール開始前の水曜日ということで、ガレージの前にはマシンを隠すためのパーテーションがいくつも立てられていたが、その隙間からカラーリングが変更されていることは十分確認できた。
チーム関係者によれば「新しいカラーリングはチャコール・グレー(チーム発表ではグラファイト・グレー)と呼ばれていて、蛍光オレンジの面積も広がった」という。開幕前、ロン・デニスに単独インタビューした際、「カラーリングを変えるつもりはないのか」と尋ねたとき、デニスは「カラーリングを変えるには、それなりの理由が必要だ」と答えた一方で、「君の質問にシンプルに答えるなら、答えはイエスだ。問題は、それがいつかということだ」と語っており、今回がそのタイミングとなったわけだ。
さらにチーム関係者は「カラーリングとともに今回スペインGPでマクラーレン・ホンダが新たなスポンサーを発表するということはない」とコメント。ただし「スポンサーと無関係の変更かというと、そうでもない」と言う。というのは、従来のシルバークロームはスポンサーロゴの可読性が良いとは言えなかった。新しいチャコール・グレーは反射しにくく、スポンサーのロゴはすべて白抜きになって、昼間でもナイトレースでも視認しやすくなっているからだ。
水曜日のガレージに置かれていたMP4-30はモノコック部分のみで、蛍光オレンジが追加されたノーズや、ホンダのロゴが白抜きになったエンジンカウルを確認することはできなかった。全体的には2014年のザウバーのカラーリングを思わせる、これまでのマクラーレンのイメージとは明らかに異なったデザインだ。新しいカラーリングとともに、マクラーレン・ホンダが新しい歴史を刻むことができるのか。今週末の走りに注目したい。
(尾張正博)