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「個人情報の漏えい」はネット経由とは限らない 「リアル」の世界にも危険は潜んでいる

2015年05月07日 06:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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PCサポーターの私のところには、「個人情報が漏えいしてるみたいで。何とかなりませんか?」という相談をよくいただきます。どんなことが起こったのか聞いてみると、たとえばこんな感じです。

1.親しい友人しか知らない本名や住まいの情報を、見知らぬ人が話している
2.お友達から「アナタ、こんなことしてるのね」と秘密の情報を言われた
3.登録した記憶のない業者からSPAMメールやDMがフルネームで大量に届くようになった

親しげに近づいてきた人に自分から漏らしていないか

こういった問題を相談してくる方は、すべて「ネットの不正アクセスによる情報漏えい」と思い込んでいます。しかし実際に個人情報が漏れるルートは、それ以外にもあります。そのことに気づいてもらうことが、意外と大変だったりするのです。

まず1の「見知らぬ人に噂されてる」ですが、被害妄想のおそれもあるので、あまりひどいときには医師に相談されることをお勧めします。他の可能性としては、自分が信頼していた親しい友人が、よそでベラベラしゃべっているのかもしれません。親友のふりをして近づいてきた人が、最初から悪い企みに利用しようと考えていないとも限りません。

ブログやSNSにランチの写真をアップして、「近所のいきつけの名店!」なんて書き込んでいれば、そこから店を特定され、さらには「あの人、○○○(住宅地の住所)に住んでるんだって!」と噂されるようになっても自業自得です。

もちろんこれ以外に、ネット経由の漏えいというケースもありますが、PCサポーターだけの力で突き止めることは相当な困難を要する場合がかなり多いです。メールやSNSでやり取りしている友人のパソコンがウイルスに侵されてしまい、そこからあなたの情報がダダ漏れしている可能性もあるからです。

匿名の裏アカウントからダダ漏れしてるかも

2の「喋ってない内容を知られた」についても、自らブログやSNSで漏らしていることが少なくないのが現状です。匿名でブログを書いたり、裏アカウントを使ってツイッターをしたりするときに、その正体が密かに友人にバレてしまっている可能性があるのです。

ふとした偶然に検索などで情報がヒットし、アカウント名から「あ、この人ってこんなことしてるのね」と特定するのは、そう難しいことではありません。

最後に3の「SPAMメールやDM」ですが、銀行の公式サイトだと信頼したサイトが偽物だった(フィッシング詐欺)というように、ネット経由で漏えいするケースもあるのですが、それ以外にも様々な可能性があります。

例えば、信用して個人情報を渡した会社の人が、悪いことを考えて名簿を売ったりすることもあるでしょう。会社以外にも、学校や地域、趣味の集まりで交換した情報が漏れることは皆無とはいえません。

そもそも、玄関の表札に住所と氏名、それに家族の名前をズラズラ書いていれば、これをスマホで撮影してデータ化する名簿屋から簡単に個人情報が漏れることになります。

相手を容易に「信用」しないことも必要

以上のように「個人情報が漏れている!」といっても、それはパソコンやネット経由とは限らず、リアルの世界でも起こりうることを忘れないでいただきたいものです。むしろPCサポーターが解決できるのは、ごく限られた問題だけなのです。

対策としては、個人情報を渡したり話したりする相手を容易に「信用」しないこと。「信用できない人」には個人情報を極力渡さないということが必要だと思います。

また、SNSの裏アカでも表札でも同じですが、「まさかこんなところから」と油断しないことです。個人情報の漏洩を防止する確実な方法は「たった一人で誰にも関わることなく生きる」ことですが、それがムリである限り、自分で注意する必要があります。(文:光明隠歌)

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