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スーパーGT第2戦富士:GT300クラスはGAINER GT-Rが優勝。2位争いにラスト4周にドラマ

2015年05月04日 00:00  AUTOSPORT web

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スーパーGT第2戦富士で、GT300クラスを制したGAINER TANAX GT-R
スーパーGT第2戦富士は3日、富士スピードウェイで110周の決勝レースが行われ、GT300クラスは3番手からスタートしたGAINER TANAX GT-Rが巧みなピット戦略をみせ優勝。B-MAX NDDP GT-R、GAINER TANAX SLSが続き、FIA-GT3車両が表彰台を独占した。

 いよいよ決勝日を迎えたスーパーGT第2戦富士。朝から好天に恵まれ、詰めかけた5万8000人の観客が見守るなか、14時15分に決勝レースがスタートした。

 迎えたGT300クラスのスタートでは、ポールシッターの佐々木孝太がドライブするTOYOTA PRIUS apr GTが、後ろに続く星野一樹のB-MAX NDDP GT-R、アンドレ・クートのGAINER TANAX GT-Rを抑え1コーナーをクリア。その後、プリウスは約1秒のギャップで周回を重ねていく。

 6周目の1コーナーを過ぎたところで、5番手を走行していたVivaC 86 MCがスロー走行。外から見える損傷はなかったものの、ダンロップコーナー先のシケインで一度マシンを停めてしまうこととなった。さらに10周目のメインストレートエンドで、織戸学のマネパランボルギーニGT3の左リヤタイヤがバースト。ランオフエリアでマシンは止まったものの、リヤ周りから火が上がってしまった。

 このアクシデントにより1コーナーにはオイルが出てしまい、後続のマシンが次々とコースオフ。このオイル処理とマシン回収のため、11周目に入るタイミングでセーフティカーが導入された。

 マシン回収とオイル処理が終わり、レースは15周目に再開。ここでもトップを走るプリウスが2番手B-MAX GT-Rを抑え1コーナーへ。スピンしたGT500クラス車両がコーナーイン側にいたものの、大きなアクシデントもなく各車ともレースを再開した。

 その後、22周目終わりに4番手を走っていたGAINER GT-Rがライバルより早く1度目のピットイン。翌23周目にはGAINER SLSもピットインを行っている。


 26周目、トップとの差を着実に削ってきたB-MAX GT-Rの星野が1コーナーでプリウスをオーバーテイク。翌週には1秒近くまで差を拡げ、30周目には約3秒までリードを拡大し、33周目にピットイン。その後、各車が続々と1回目のピットストップを行った。全車がピットを終えた41周目には、一足先にピットを済ませていたGAINER GT-Rがトップに立つと、59周目終わりで2度目のピットを迎えるまで6秒~10秒のマージンを保ち、レースをリードした。

 GAINER GT-Rが2度目のピットに入ったことで、60周目にトップに立ったのは高星明誠のB-MAX GT-R。リードを築きトップを快走していたが、64周目の1コーナーのブレーキングで左フロントタイヤがバースト。コースのほぼ一周を3輪で走行することとなり、大きく順位を落としてしまった。これにより中山雄一のプリウスが首位を奪うことになった。

 首位のプリウスや2番手に浮上していたLEON SLSなど各車が2度目のルーティンピットを終えると、クートのGAINER GT-Rが再びトップに。40秒近い圧倒的なリードを保ちながら、そのままレースは終盤へと入っていった。GAINER GT-Rには、チェッカーまで残り5周というタイミングで、フロントフェンダーに他車のパーツ片が引っかかるアクシデントがあったものの、最終的に2位以下に38秒376の差をつけトップチェッカーを受けた。

 一方で、2位争いは白熱したバトルが展開。91周目に3番手のGAINER TANAX SLSが、2番手TOYOTA PRIUS apr GTのスリップを使い1コーナーでイン側に飛び込むと、コーナー立ち上がりでプリウスとサイド・バイ・サイドの展開に。両車はぶつかり合いながらコカコーラ・コーナーへ向かい、ここでSLSがバトルを制し2番手に浮上した。

 しかし、SLSのペースは思ったように上がらず、3・4位争いを展開していたプリウスと、タイヤバースト後に激しい追い上げをみせていたB-MAX GT-Rが追いつき三つ巴の戦いに。B-MAX GT-Rの長谷見昌弘監督がサインガードから身を乗り出して星野にオーバーテイクの指示を出す中、96周目に星野が前を行くプリウスをヘアピンでオーバーテイク。98周目にはGAINER SLSと激しい1コーナーでのブレーキング争いを制し、B-MAX GT-Rが2番手まで順位を回復した。その後、GAINER SLSは第3セクターでプリウスにもオーバーテイクを許してしまう。

 これで万事休すかと思われたGAINER SLSだが、最終ラップの1コーナーでプリウスに追いつき三度バトルを展開。ここでプリウスの嵯峨宏紀は体勢を崩してスピン。GAINER SLSが3番手に浮上し、プリウスは2戦連続表彰台を失ってしまった。

 この結果、1位GAINER GT-R、2位B-MAX GT-R、3位GAINER SLSという結果となり、JAF-GT車両に対する給油時間の長さをものともせず、FIA-GT3車両が表彰台を独占した。燃費で有利と言われていたJAF-GT車両は上位10台中2台のみという厳しい結果となった。