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WEC第2戦スパ:ポルシェとの接戦を制して7号車アウディが2連勝!

2015年05月03日 07:00  AUTOSPORT web

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優勝した7号車アウディのブノワ・トレルイエ、マルセル・ファスラー・アンドレ・ロッテラー
WEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャンは2日、6時間の決勝レースが行われ、ポルシェとのマッチレースを制したマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組の7号車アウディR18 e-トロン・クワトロが優勝。開幕戦シルバーストンに続く2連勝を飾ることとなった。

 6月に行われるル・マン24時間に向けた最後の実戦ともなる今回のスパ戦には、アウディ陣営が例年と同じく3台目のマシンを投入したほか、ポルシェも初の3台体制で参戦。また、アウディはレギュラー参戦の7号車と8号車をル・マンに向けたローダウンフォース仕様として投入している。

 初日は雨がらみとなったスパだったが、予選日となる1日からはドライコンディションに。予選では17号車ポルシェ919ハイブリッドがポールポジションを獲得するとともに、ポルシェ陣営が予選トップ3を独占。7号車、8号車のアウディ陣営が続き、6~7番手にトヨタTS040ハイブリッドの2台が続く形となった。

 迎えた2日の決勝レースは、薄曇りのもと現地時間14時30分からスタート。ポールポジションの17号車を先頭に、ポルシェがトップ3をキープしてオープニングラップを終える。17号車は、序盤40分で10秒以上のリードを構築するなどハイペースで走行。ただ、最終コーナー手前でコースアウトした際に、ショートカットを用いてコースへ復帰したことが審議対象となり15秒のストップ&ゴーペナルティを科されたほか、リヤサスペンションのトラブルによりピットで4分ほどの作業を受けたこともあり、首位争いからは後退してしまう。

 これにより、18号車ポルシェが開始から1時間40分というところで首位に浮上。7号車アウディが2番手に続き、両者の差が25秒強まで広がったところでレースは折り返しを迎える。そして、その直後に行われた各陣営3度目のピットストップでは、ロッテラーの駆る7号車がタイヤ無交換でコースへ復帰し、首位に躍り出ることになる。一方、ここでタイヤ交換とドライバー交代を行い2番手に後退したのは18号車。とは言え、マルク・リーブが追い上げを見せて7号車の背後に接近。2台によるテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられたが、ここはロッテラーがポジションを死守した。

 残り2時間になると、再び各陣営がピットストップを実施。首位の7号車がここでロッテラーからトレルイエへと交代した一方で、今度は18号車がタイヤ無交換を採用して首位に返り咲く。ただ7号車は、残り1時間30分というところで接近戦の末に18号車をオーバーテイク。再び首位を奪取していった。

 その直後、18号車は予定より早くピットへ向かい、リーブからニール・ジャニへと交代。7号車とは異なるピットタイミングで追い上げる形となる。対する7号車は、残り40分を前にコース上で18号車にかわされる場面もあるも、直後に18号車が最後の給油に向かったことから再び首位に。50秒ほどのリードのもと、残り20分で最後の給油へと向かっていった。

 18号車としてはここで7号車の背後につけたいところだったが、7号車は13秒のリードを保ってコースへと復帰。最後までこの差を守りきり、7号車が見事に開幕2連勝を飾ることとなった。一方、7号車を捉えきれなかった2位の18号車ポルシェだが、6時間を走ってその差は僅か13秒。ル・マン24時間に向けて、アウディとポルシェの拮抗した勢力図が浮かび上がった。3位には1ラップダウンで17号車ポルシェが入り、4位は9号車アウディとなっている。

 アウディとポルシェが僅差の首位争い繰り広げた一方、トヨタ勢の最上位は2号車の5位。予選でライバル陣営の後塵を拝する形となり、決勝での巻き返しを図ったトヨタだったが、レースペースでも課題の見えた一戦となった。また、初日のクラッシュ後に新たなモノコックを用いてマシンを急きょリビルドされた1号車にはトラブルが頻発し、首位からは14周遅れの8位でレースを終えている。

 LMP2クラスでは、ポールポジションからスタートしたG-ドライブ・レーシングの26号車リジェJS P2が序盤の1時間30分ほどリード。ただ、ジャンプスタートに問われ開始直後に後退していったJOTAスポーツの38号車ギブソン015S・ニッサンが追い上げを見せ、1時間30分を過ぎたタイミングで首位を奪う。その後は、38号車が終始レースをリード形となり、最後は2位に1周の差をつけてクラス優勝を果たした。2位にはG-ドライブ・レーシングの28号車リジェJS P2・ニッサン、そして3位には今回のレースが今季初戦となったチーム・サード-モランドの43号車モーガンEvo・サードが入っている。

 LM-GTEプロクラスでは、97号車アストンマーチン・バンテージV8が序盤をリードするも、レース開始から1時間30分というところで99号車アストンマーチンが首位を奪取。終盤は51号車フェラーリ458イタリアと99号車とのマッチレースを繰り広げられたが、51号車は最後のピット作業時に違反があったとして1分間のストップ&ゴーペナルティを科されてしまい後退。99号車がクラス優勝を飾ることとなった。2位に92号車ポルシェ911 RSR、3位に91号車ポルシェが入っている。また、LM-GTEアマクラスでは、予選でクラスポールを獲得した98号車アストンマーチンが序盤から上位争いを展開。レース折り返しを前に首位を奪取すると、最後は後続を1分45秒引き離して優勝を果たした。

 次戦はいよいよル・マン24時間。6月13日~14日に開催されるこのレースを前に、5月31日にはル・マン公式テストデーが設けられており、ニッサンがLMP1クラスに投入するGT-R LMニスモもここからシリーズに加わる予定となっている。