F1で5年を戦った後に破綻したケータハムF1チームで3年を過ごしたヘイキ・コバライネンが、ケータハムを信じ義理立てしすぎたことでF1のキャリアを終えることになったと振り返った。
ケータハムはロータス・レーシングとして2010年にF1活動をスタート、2015年シーズンを前に破綻した。コバライネンは2010年から2012年まで同チームのレースドライバーを務めた。
2013年にケータハムはシャルル・ピックとギド・バン・デル・ガルデを起用、コバライネンはシートを失うことになった。彼は同年、リザーブドライバーとしてケータハムでFP1に出走、シーズン終盤2戦にはロータスでキミ・ライコネンの代わりに出場したが、それ以来F1から遠ざかり、今年はスーパーGTに参戦している。
コバライネンは2011年末には比較的大規模なチームからいくつかオファーを受けており、それを断ってケータハムに残ったのは間違いだったと振り返った。
「僕はあまりにも長くチームに義理立てしすぎたのだと思う」とコバライネン。
「ケータハムで2年を過ごし、2011年末を迎えた時点では、自分のポテンシャルを回復できたと感じていた。おそらくは他の人たちもそう感じていたと思う」
「トンネルの向こうに光が見えてきていた。何度かいいレースをし、チームメイトとの戦いでも優勢だった」
「2011年シーズンが終わった後には(英国)AUTOSPORTの企画『チームプリンシパルが選ぶトップ10ドライバー』の9位に選ばれた。期待できる状況だった」
「その時には(ケータハムより)規模の大きめなチームからいくつかオファーがきていた。でも(当時のチームプリンシパルである)トニー(・フェルナンデス)をはじめとするケータハム上層部は、チームはさらに進歩する、次のステップに踏み出すために必要な要素は揃っていると、僕に保証した」
「だから引き続きチームに忠誠を誓うことを決めた。今振り返るとそれは間違った選択だった」
「今になってそう言うのは簡単だ。でももうすべて終わったことだ。これも人生の一部だ」
レースシートを失う際のチームからの扱いに、コバライネンは今も不満を感じている。
「今も忘れられず残念に思っていることがひとつある。チームを去ることが決まった時に、チームの誰からも正式に感謝の言葉がなかったことだ」
「チームの上層部からメールが来て、ペイドライバーを僕の代わりに起用することになったと伝えられた。それだけだ」
「すごくがっかりした。このことが苦い記憶となって残っているんだ」
「それでも一緒に働いた仲間や友人たちは本当に本当にいい人たちだったし、チームにいる時は楽しかった」
「当時僕は100パーセントの力を注いで貢献したと誓うことができる。チームが前進すると確信していたんだ」