マークスタイラー(MARK STYLER)のメディア事業を母体に新会社として立ち上がったTimes Transitが、ファッションメディア「サイン(Sign)」をキュレーションアプリとして一新した。これまでコーディネートを中心にトレンド情報を共有する場を提供してきたが、リニューアルを機にキュレーション記事を大幅に増加。今後は有名モデルを毎月表紙に起用し、雑誌のようなクオリティでファッションをトータルで楽しめるコンテンツを揃えていく。
Signがキュレーションアプリにの画像を拡大 「サイン」は、マークスタイラーが運営していたファッションコミュニティサイト「RUNWAY channel community」が前身。2013年頃から会社やブランド側の発信がSNSに移行したことに伴いアクセス数が減少していたが、「サイン」として一新した2014年10月以降は数字が徐々に改善されており、現在の月間ユニークユーザー数は20万程度だという。
今回のリニューアルでは、近年で人気を集めている女子向けキュレーションメディアに着目しつつ、記事量の多さやキュレーターが一般人であること、内容に大差がないことなどの問題点を考慮し、ファッショニスタがキュレーターとして提供する記事とプロのライターによる記事を厳選して配信。トレンドのコーディネートやアイテムだけではなく、ビューティやライフスタイル、恋愛などの記事もラインナップしコンテンツの充実化を図る。トップページのデザインもフルリニューアルして石田ニコルを初回カバーガールに起用。以前から支持されていたというメイクや筋トレ、画像加工のハウトゥーなどを紹介する動画記事はアニメーションGIFのサムネイルにしてトップに掲載する。スマートフォンの特性を活かしながらファッション雑誌のようなクオリティで提供するキュレーションアプリとして、読者たちが「自分らしさ」を追求できるメディアを目指す。
「SmartNews」やECプラットフォーム「Origami」など、キュレーションによって情報集約化するスタイルのサービスが2012年頃から台頭している。2015年に入ってからも各企業がキュレーション事業に注力しており、「バイマ(BUYMA)」を運営するエニグモは2月、キュレーションサービス「4meee!」や「4yuuu!」を手掛けるロケットベンチャーを買収。また、ディー・エヌ・エー(DeNA)もキュレーションプラットフォーム事業拡大プロジェクト「ディー・エヌ・エー パレット(DeNA Palette)」を推進しており、2015年12月末までに合計10サービスまで増やす計画だ。矢野経済研究所が昨年に発表したキュレーションサービス市場に関する調査結果によれば、今後さらに市場規模は拡大し、2017年度には400億円近くになると予測されている。
■「Sign」