WEC世界耐久選手権は4月30日、スパ・フランコルシャンで第2戦のフリー走行1回目/2回目が行われ、ウエットコンディションのもと、ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組の18号車ポルシェ919ハイブリッドが初日のトップタイムをマークした。
6月の第3戦ル・マン24時間に向けて最後の実戦となるこの第2戦には、アウディとポルシェが3台目のマシンをそれぞれ投入。アウディは7号車と8号車をル・マンに向けたローダウンフォース仕様で持ち込んでいる。またLMP2クラスでは、エクストリームスピード・モータースポーツが今回から2台のリジェJS P2・ホンダにスイッチしているほか、開幕戦を欠場したサード-モランドも43号車(ピエール・ラギュ/オリバー・ウエッブ/ゾエル・アンベルク組)の1台体制で参戦を果たしている。
現地時間12時から始まったフリー走行1回目は、雨がらみのセッションとなった。ここでは、リーブの駆る18号車ポルシェが、雨の強くなる前のセッション前半に、乾きつつある路面で2分16秒617をマークしてトップに立った。
2番手は、アンソニー・デイビッドソンがマークした2分17秒117で1号車トヨタTS040ハイブリッドに。ただ、1号車はその後、中嶋一貴のドライビング中に、8号車アウディR18 e-トロン・クワトロの後方に追突する形でクラッシュ。これによりセッションは25分を残して赤旗中断となり、最終的にセッションは当初より25分延長され13時55分まで行われた。FP1の3~4番手には、17号車、19号車のポルシェ勢が続き、5~6番手に9号車、8号車のアウディが並んだ。
なお、クラッシュ後、念のためサーキットのメディカルセンターに運ばれた一貴は、背中の痛みを訴え、検査のために地元の病院へ。その結果、脊椎に損傷が見つかったとして、今週末のレースは欠場することになった。これにより、1号車は今回、デイビッドソンとセバスチャン・ブエミのふたりで週末を戦うことになった。また、クラッシュした1号車トヨタ、8号車アウディともに、マシンへのダメージによりFP2は走行を行っていない。
その後、現地時間16時30分から行われたFP2は激しい雨となり、終盤に向けて雨脚がさらに強まっていく展開に。そんな中でトップタイムをマークしたのは、ポルシェの3台目となる19号車。アール・バンバーが2分25秒495をマークしてこのセッションの首位につけた。2番手には17号車ポルシェが続き、このセッションはポルシェ勢のワン・ツーに。3番手に7号車アウディが入り、2号車トヨタは6番手となっている。
この結果、FP2は雨が強かったこともあり、初日の総合首位はFP1で2分16秒617をマークした18号車ポルシェに。クラッシュ前のタイムで1号車トヨタが2番手に入り、3~4番手に17号車、19号車のポルシェ。5~6番手に9号車、8号車のアウディ勢が続き、2号車トヨタは初日7番手となった。
LMP2クラスでは、2度のセッションともにストラッカ・レーシングの42号車ストラッカ童夢S103・ニッサンが首位に。FP1でマークした2分32秒672がこの日のクラストップタイムとなった。2番手には、JOTAスポーツの38号車ギブソン015S・ニッサンが入り、3番手がG-ドライブ・レーシングの28号車リジェJS P2・ニッサンとなった。
LM-GTEプロクラスでは、北米USCCとのバッティングによりケビン・エストレ/スヴェン・ミューラーのコンビがドライブしている91号車ポルシェが、FP1にマークした2分36秒095で初日のクラス首位に。2番手に92号車ポルシェ、3番手にAFコルセの51号車フェラーリ458イタリアと続き、4番手がアストンマーチン・レーシングV8の99号車アストンマーチン・バンテージV8となった。LM-GTEアマクラスでは、アブダビ-プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRがFP1の2分29秒885で初日のトップとなっている。
WEC第2戦スパは、現地時間5月1日にフリー走行3回目と予選が行われる。