2015年04月30日 15:21 弁護士ドットコム
立ち乗りの電動2輪車「セグウェイ」が街中を走る、そんな光景を見かける機会がこの夏、増えそうだ。国交省は7月から、セグウェイを走らせても問題が起きないか、全国の公道で実証実験を行う。2011年から茨城県つくば市で行ってきた実証実験などで大きな問題がなかったことから、範囲を拡大するという。
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セグウェイは、乗っている人が身体を前後左右に傾けることで、速度や進行方向を変えられる。セグウェイジャパンのウェブサイトによると、最大時速は20キロ。近距離移動向けだが、1回の充電(10~20円)で、約40キロの距離を走ることができる。新車価格は約100万円だという。セグウェイは2001年に米国で発売開始。海外ではすでに公道走行が可能になっている国もある。国交省は、高齢者や観光客の近距離利用を想定しているという。
実験はこの7月から始まる予定だが、普通の人も全国をセグウェイで移動できるようになるのだろうか? そもそもセグウェイは、道路のどこを走るものなのだろうか? 国土交通省自動車局技術政策課の担当者に疑問をぶつけてみた。
「全国での実証実験は、自治体や企業が実施することを想定しています。しかし、個人でも手続きを踏めば、実験に参加できなくはありません」
そのためには、どんな手続きが必要なのだろうか?
「公道をセグウェイで走るためには、まず地方運輸局で小型特殊自動車としての車両認定を受けなければなりません。その後、警察署で道路使用許可をとる必要があります。
さらに、これと並行して、市区町村で実証実験実施の同意を得る必要などがあります」
なるほど、まだ「実証実験」の段階ということで、「気軽に」というわけにはいかないようだ。
まだ実験段階ということだが、セグウェイは道路のどの部分を走るのだろうか?
「セグウェイは、基本的に『歩行を支援するためのロボット』という位置づけです。
『歩行支援ロボット』の車両法上の扱いは、製品の出力しだいで、『自動車』もしくは『原動機付自転車』となります。現状は、セグウェイの出力だと『自動車』として扱われます。
なお、つくば市などでの公道走行実証実験に基づいて、最高速度は10キロ以下、定員は1人という規制になっています」
そうすると、セグウェイは道路のどこを走ることになるのだろうか?
「『歩行支援ロボット』ですから、走る場所は『歩道』を想定しています。
ただ、道路の使用許可を出す警察署によって、判断が異なるかもしれません。自転車道が整備されているような場所では、自転車道を走るということもあるでしょう」
具体的にどの道路のどの部分を走ることができるかは、地元の警察署の判断によっても異なってくるようだ。
これまで、自分で買っても私有地でしか使えず、個人利用するにはかなりハードルが高かった。しかし、もし身近な自治体で実験が始まったなら、試しに参加して、使い心地を試してみたいものだ。
(弁護士ドットコムニュース)