押井守監督による実写映画『東京無国籍少女』が、7月25日から東京・新宿バルト9ほか全国で公開される。
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『機動警察パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』といったアニメ作品のほか、『アヴァロン』『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』などの実写作品も手掛けている押井監督。『東京無国籍少女』は、女子生徒だけの美術高等専門学校を舞台にした作品で、かつて天才と呼ばれたが、心に傷を抱えて不眠に陥った藍の憂鬱な日常生活が、彼女の中で「何か」が目覚めたことによって崩れていく様子が描かれる。
授業をドロップアウトし、謎のオブジェを作り続けるが、やがて群発地震や大量の鳥の羽音、繰り返される謎の声を聴くなどの現象を体験するようになる藍役を演じるのは、園子温監督『TOKYO TRIBE』でヒロイン役を演じた清野菜名。また、学園の教頭役を本田博太郎、特別扱いされる藍を苦々しく思っている担任教師役を金子ノブアキ、藍の身を案じる保険医役をりりィが演じている。
今回の発表にあわせて公開された予告編では、清野演じる藍が血まみれになっている場面や、藍の背後で学園の廊下に亀裂が走る場面などが盛り込まれている。
清野の起用について押井監督は、「演技力に加えてアクションをこなす体力が必要な役です。好きな女優がミラ・ジョボビッチだと答えた時点で決めました。今どきでない硬質な少女というイメージにも合っていましたので」とコメント。さらに、同作で女子高生や暴力が描写されていることについては「直接的な暴力や性的な描写を解禁しても、自分の映画は変わらないようです。意外にも愉しんで演出できました。そういう年齢になったのでしょう」と語っている。
■清野菜名のコメント
監督に「これが完成系だから後は撮影当日、現場でいろいろ言うから」と言われて台本を見てみたら、、プロットみたいで。詞というより情景?ト書きが殆どで、えっ?!ってビックリしました(笑)
初めて顔合わせでお会いした時は、すごく声も小さくて。「当日いろいろ言うから」と仰っていたので、撮影の時は大きな声で怒鳴ったりする人なのかなぁと正直思ったりしていたのですが当日もそのままで耳を近くに傾けないと聞こえなくらい声が小ちゃかった。
でも何度も聞く事を繰り返したお陰で、自分が疑問になったことをすぐに聞きに行くようになって分からないことがあると分かるまで近くに来て感情の説明をしてくださったり、監督はすごく気さくで丁寧で優しい方でした。
今回は表情で表現することが殆どで、意思は強いんだけど、どこか切ない。反比例する感情が多かったので台詞がないのもすごく難しいなと思いました。撮影の後、たくさんアフレコしたんですけど、台詞じゃなくて唸ったり叫んだり普段とは違うアフレコでした。