12月12日から全国で公開される山田洋次監督の新作映画『母と暮せば』の追加キャストが発表された。
同作は、井上ひさしが原爆投下後の広島を舞台にした戯曲『父と暮せば』と対になる長崎が舞台の作品を作りたいと願っていたことを知った山田監督が、井上の想いに捧げる形で制作する作品。1948年8月9日の長崎で、助産婦・伸子の前に3年前に原爆で亡くなったはずの息子・浩二が現れたことをきっかけに、過去の思い出話や浩二が遺した恋人・町子の話をして過ごす2人の日々を描く。これまでに、主人公の伸子役を吉永小百合、浩二役を二宮和也、町子役を黒木華が演じることが発表されていた。
今回出演が明らかになったのは、一人暮らしの伸子を心配して世話を焼く「上海のおじさん」役の加藤健一、町子に惹かれる青年・黒田役の浅野忠信。同作は4月26日にクランクインし、現在撮影中だという。
また、オフィシャルサイトでは5月2日から全国の劇場で上映開始される特報が公開。特報では、浩二役の二宮による「1945年8月9日、午前11時2分、ぼくは死んだ―。母さん。母さんは諦めが悪いから、なかなか出て来られなかったんだよ」というナレーションを聞くことができる。このセリフは特報のために収録されたものだという。あわせて劇場で掲出される第1弾ポスターも公開。山田監督の演出により、二宮と吉永が肩を寄せ合って歩く姿が映し出されている。ポスターのプロデュースは高崎卓馬、ロゴを100%ORANGEが手掛けている。
吉永小百合のコメント
ニノと腕を組んで撮影して、サユユは幸せです。優しい夢のようなポスターが出来ました。ポスターに負けないような作品の完成をめざして、これから頑張ります!(サユユ…去年12月、二宮さんが嵐のコンサートの舞台で、私のことを「今度サユユと共演します」と言っていらしたので)
高崎卓馬のコメント
死んだはずの息子とその母の物語。この台本を読んで、泣いてしまいました。山田監督と何度もお話をして、この映画の後の世界を一枚の絵にするようにしました。母と息子のなかにある永遠の物語を表現しました。
現場に突然現れた山田監督の演技指導がはじまって、どんどん吉永さんと二宮さんが本物の親子にしか見えなくなって本当に驚きました。