2015年シーズン、好調なスタートを切ったザウバー。チーム代表モニシャ・カルテンボーンは「開幕前のテストで好タイムを記録したとき『少ない燃料しか積んでいないのだろう』と指摘した人々の言葉は、まったく無意味だった」と英国オートスポーツの取材に答えて語った。
「多くの人たちが言ったように軽いクルマで走れば、テストでさらに素晴らしいパフォーマンスを見せることもできました。しかし、それは意味のないことです」
スイスに拠点を置くザウバーは1993年からF1に参戦、2014年はチーム史上で初めてノーポイントのシーズンとなった。しかし、2015年の2月に行われた今年最初のへレス合同テストでは1日目と2日目はフェラーリに次ぐ2番手タイム、3日目はフェリペ・ナッセがトップタイムを記録した。
このとき多くのジャーナリストが、ザウバーを「冬の王者」と揶揄したが、実際に開幕してからもザウバーは好調で、テストのタイムは見せかけではなかったことを証明した。
開幕戦オーストラリアはナッセ5位、マーカス・エリクソン8位。中国GPはナッセ8位、エリクソン10位で再びダブル入賞を果たしている。
しかもマーカス・エリクソンはマレーシアGPでスピン、バーレーンではピットストップでタイムを失っているので、これが最良の結果というわけではない。
開幕4戦を終え、ザウバーはコンストラクターズランキング5位につけている。さらに上を狙うならば、レッドブルやウイリアムズが標的となる。
「ここまでの結果にはとても満足していますが、もっと行けるはず。もちろん簡単なことではありませんが、それは私たちが戦いをあきらめるという意味ではありません。ここまで4戦、4つの異なるサーキットでザウバーは競争力があることを証明しました。これからも攻めるのみです」と、カルテンボーン代表。
今季はドライバーの四重契約問題が大きなトラブルとなり、ギド・バン・デル・ガルデとは19億円とも言われる和解金で決着。現在ウイリアムズのリザーブドライバーを務めるエイドリアン・スーティルも、マネージャーがザウバー相手に訴訟を準備していると報道されている。いまだ渦中にあるザウバーが最優先しなければならないのは、コース上で結果を出し続けることだ。