フォーミュラEで使用されている『スパーク・ルノーSRT_01E』の設計を担当したスパークレーシングテクノロジーは、2015/16年シーズンに向けマシンのサスペンションとブレーキシステムを変更する。
スパークレーシングテクノロジーは、14/15年シーズンのフォーミュラEに参戦しているすべてのチームにマシンを供給しているが、来シーズンに向けてマシンの改良に取り組んでいる。
現在のマシンは鋭角のシケインがあるサーキットでは、サスペンションを壊しかねない程の負荷が、サスペンションに掛かってしまっており、ドライバーからはカーボンブレーキのフィーリングに関する不満も出てきている。
あるフォーミュラEドライバーは、スパーク・ルノーSRT_01Eの最も改良してほしい部分としてブレーキシステムを挙げている。
そのドライバーいわく、現在使用されているカーボンブレーキは、マシンのスピードに対し効きが良すぎるという。そのため、多くのドライバーがブレーキの温度管理に苦労しており、ブレーキフィーリングが悪いことで実力を発揮できていないドライバーも多い。また、ブレーキが効き過ぎるため、タイヤのロックアップも増えてしまっている。
ドライバーの中には、スパークレーシングテクノロジーに対し、スチール製のブレーキを採用すべきと述べている者もいるが、この問題をカーボン製ブレーキを使ったまま解決することができれば、多くのドライバーが満足するだろう。
サスペンションに関するトラブルは、2015年に入ってから発生しているが、これは準備期間不足により、車体の最低重量を下げることができなかったことが原因とみられている。この結果、特にシケインでは、想定以上の負荷がサスペンションに掛かってしまっている。
スパークレーシングテクノロジーのテクニカルディレクターを務めるテオフィル・ゴウジンは、「私たちは、常にマシンの改良に取り組んでいる。ストリートサーキットを走行するのに必要なものから順に改良している」とコメントした。
「サスペンションやブレーキシステムなど、マシンのどの部分を改良するべきか、プランはすでに練っている。最近は、コース上で一貫した性能を発揮できるよう、ブレーキの開発に取り組んでいるんだ」
スパークレーシングテクノロジーは、フランスのマニクール・サーキットで3日間のテスト走行を実施している。テストドライバーを務めたのは、WTCC世界ツーリングカー選手権に参戦するグレゴワール・デモステアだ。
「適切な温度管理が行えるよう、様々なカーボンジオメトリーのブレーキディスクやパッド、ダクトシステムをテストした」とゴウジン。
「3日間のテストで、現在使っているブレーキシステムと比べて、より機能するシステムをみつけることができた。このシステムにチームとドライバーは満足してくれると思っているよ」