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86/BRZ Race第2戦:谷口信輝が開幕2連勝を飾る。PP獲得の山田英二は決勝4位

2015年04月28日 10:50  AUTOSPORT web

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GAZOO Racing 86/BRZ Race第2戦岡山 スタートでは谷口信輝(KTMS 86)が首位を奪取
GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第2戦が、岡山国際サーキットで4月25~26日に開催され、53歳の誕生日を迎えた山田英二(CUSCO BS 86)が、プロフェッショナルシリーズのポールポジションを獲得。しかし、決勝ではスタートに出遅れてしまい、代わってトップに立った谷口信輝(KTMS 86)が、そのまま逃げ切って開幕2連勝を達成した。クラブマンシリーズでは小野田貴俊(N東埼玉T埼玉KND2和光86)が、ポール・トゥ・ウインを飾っている。

 ツインリンクもてぎでの開幕戦から、約1か月。舞台を岡山国際サーキットに移して、第2戦が開催された。このレースウイーク、練習から好調だったのはベテランの山田。金曜日の専有走行では同じ1分52秒台で阪口良平(AREA86倉敷)、山谷尚貴(ネッツ神戸ニール☆ダイニチ86)、谷口、羽根幸浩(メタルラボ・スペックスYH86)、松本晴彦(埼玉自動車大学校86)が僅差で続いており、プロフェッショナルクラスの予選も同様に、白熱した展開になることが予想されていた。

 土曜日のうちに行われた予選は、なんと山田が唯一51秒台を切る、50秒899をマークしてレコードも更新。51秒120の谷口、51秒203の阪口、51秒268の近藤翼(神奈川トヨタ☆DTEC86R)を従えることとなった。

「今日、誕生日なんで本当に良かった。いいクルマを用意してくれたキャロッセさん、いいタイヤを与えてくれたブリヂストンさんに感謝しています。俺らしくないコメントですけど(笑)。誕生日プレゼントのつもりなのか、谷口やら青木やら良平が、みんな親切に教えてくれたんですよ、それは俺がここまで来るとは思わなかったからなんでしょうけど。今週は走り始めから、行けそうだって手応えもあったのに。まぁ、誕生日だけの喜びにならないようにします」と、山田はひとり抜け出したことと、記念すべき日の快挙に、会心の笑みを見せた。逆に「俺としてはやるだけのことはやった」とは谷口。阪口も「ミスはなくて、むしろやり切った感はあるんですが……」と、好位置につけても納得がいかぬようだった。

 だが、決勝レースになると、状況は一転する。「最初にホイールスピンさせ過ぎてしまい、少しアクセルを戻したのがマズかった」という山田の脇を、スッとすり抜けていったのは、もちろん谷口。それでも山田は2番手で1コーナーをクリアするが、アトウッドコーナーでのミスを後輩ドライバーたちが見逃そうはずはなかった。

 バックストレートから続くヘアピンで、阪口がインを刺そうとしたが抜き切れなかった一方で、アウトからズバッと山田にかぶせていったのが青木孝行(ケーエムエスADVAN86R)。予選は「走り始めが最悪で、いろんなことやっているうちに、どんどん良くなっていたんだけど、もう少し時間が欲しかった」と6番手となったが、決勝レースでは好スタートを切り、気がつけば2番手へと躍進を果たしていた。

 その激しい攻防が、谷口を楽にさせたのも言うまでもない。オープニングの1周だけで1秒8のリードを築き、2周目にはファステストラップを記すとともにその差を2秒1まで拡大。そこから先はペースをコントロールする余裕さえ見せていた。

 逆に2番手争いは最後まで続き、青木と阪口、山田の間で神経戦が繰り広げられた。「(青木の)インを刺したら、行けそうな気もしたんですけど、抜き切れなくて失速したら、山田さんが来るだろうし……」と阪口。それぞれミスを冒さないから、間隔こそ周回ごと変化したものの、結局順位の変動はなし。山田は誕生日の翌日に、表彰台へ上がることは許されず、4位に終わった。

「今回はスタートが決まった、それがすべてだね! 前半はプッシュして、あとは“なり”で。岡山では初優勝で、あとはオートポリスだけ。西(のコース)も制覇中です」と谷口。青木、阪口、山田に続く5位は近藤が、そして6位は蒲生尚弥(ASICS Blue 86R)が獲得した。

 一方、クラブマンシリーズでは、開幕戦で2位の小野田がポールポジションを獲得。岡山をホームコースとし、かつてAE86使いとして名を馳せた加納央樹(ウィニング制動屋バンキング86)、森川基雄(ウィニング制動屋86長谷川運輸)が続いたことで、激しいバトルに期待がかかるも、森川が違反スタートのペナルティでドライビングスルーを科せられ、早々と後退。加納も中盤以降は小野田に引き離されてしまい、独走を許すこととなってしまう。

「加納さんは地元だけあって、レース前半が速かった。僕はミスしないことだけ心掛けて走りました。本当に久しぶりの優勝だし、よその庭で勝てて嬉しい~!」と小野田。3位は予選7番手から躍進を遂げた、河村直樹(N中京AREA86小牧BS86)が獲得した。

(はた☆なおゆき)