トップへ

大塚家具のお客をねらう業界の「虎視眈々」 お家騒動のツケどこまで広がるか

2015年04月28日 06:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

お家騒動は1か月前の株主総会で終結したものの、いま大塚家具では「感謝セール」を予定より延長して売り込みに必死だ。2015年4月24日放送のワールドビジネスサテライトでは、この騒動の間にも虎視眈々と市場獲得をねらう家具業界の動きを伝えた。

今月24日、東京・中央区のプランタン銀座に、家具・インテリアの大手ニトリが新店舗をオープンした。似鳥昭雄社長は、従業員に「銀座は夢のような場所。まさか出店できると思わなかった」と語る。出店したのは、大塚家具・銀座本店から徒歩3分の場所だ。

ニトリもカリモクも、口では「かなわない」というが

これまで郊外の大型店を中心に、安さを売りに展開してきたニトリだが、銀座の客層に合わせ高価格帯の商品も増やした。

店内をカラフルにし女性向けのインテリアや小物を取り揃え、従来品に比べると2~3倍高い新ブランド「クオリティーライン」を立ち上げるなど、セールを含め価格帯を下げている大塚家具との距離は近づいている。

似鳥社長は、大塚家具との競争について取材記者に聞かれると、「大塚家具さんは(価格が)もっと上ですから、競争にならない」と答えた。

東京・台場では、家具メーカーのカリモク家具が、大塚家具の店舗からおよそ1.4キロの距離にショールームをオープンした。商品はすべて国産の自社製品で、やはり「中価格帯」を中心にした品揃えだ。

ショールームでは客は直接購入できないが、ブランド力を高めて新しい顧客の獲得を目指す。カリモク家具・山田郁二取締役は、ねらいをこう明かした。

「(大塚家具は)品ぞろえでは勝てる相手ではない。オーダーメードができる点を生かし差別化を図りたい」

ニトリやカリモク家具のコメントは、「大塚家具とは勝負する土俵が違う」という口ぶりだが、お客を取り合う形になっているのは確かだ。中高価格帯の家具店は停滞が続いているといわれているが、品揃えやサービスなどにかなり刺激を与えそうだ。(ライター:okei)

あわせて読みたい:ベンチャー企業「森林大国・日本」の隠れた資源に賭ける