フォルクスワーゲンの会長を務め、長く同社を率いたフェルディナント・ピエヒ氏が辞任したことにより、同社グループのブランドがF1に参入する可能性が高まるとの推測が生じている。
25日、78歳のピエヒ氏が辞任したとフォルクスワーゲンが発表した。社内の権力闘争に敗れた結果であると広く報じられている。
ピエヒ氏とF1の商業面のボス、バーニー・エクレストンには確執があり、それがフォルクスワーゲン・グループのF1参戦を妨げる理由のひとつであると考えられていた。
しかし幹部体制が変わることに伴い、モータースポーツプログラムに変更が加えられる可能性があると推測される。
フォルクスワーゲン・グループは傘下にアウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ、シュコダ、セアトなどのブランドを擁し、WEC、WRC、GT、F3、ラリークロスなどに参戦している。
いずれピエヒ氏の後を引き継ぐと考えられているCEOマルティン・ビンターコーン氏は、アウディ会長時代にスポーツカーおよびDTMのレーシングプロジェクトを強力にサポートしており、大のモータースポーツ好きであるとmotorspot.comは伝えている。
これまでアウディ、ポルシェなどのF1参戦のうわさは何度も報じられてきた。
昨年アウディがフェラーリF1の元チームプリンシパル、ステファノ・ドメニカリを雇い入れた際にも、VWグループのF1参戦のうわさが再燃した。
昨年10月末には、アウディはDTMとル・マン24時間/WECから撤退してF1に参戦する予定であり、既存チームの買収を検討していると伝えられたが、アウディ・スポーツは「何の根拠もない話」として否定した。今年に入ってからはポルシェがF1参戦は考えたこともないと主張している。