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美しい珊瑚礁も先住民の激しい攻撃で誰も近づけず。孤高の「北センチネル島」。

2015年04月26日 13:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

開発が進むアンダマン諸島の“パンドラの箱”、北センチネル島(画像はmirror.co.ukのスクリーンショット)
ベンガル湾の中央よりやや東側、むしろミャンマーやマレーシア、インドネシアに近いインド領アンダマン・ニコバル諸島をご存じであろうか。インド政府が外国人の立ち入りを制限していることもあり知名度はまだまだだが、ここに決して開けてはならない“パンドラの箱”のような存在の島が1つだけあるという。英メディア『mirror.co.uk』の記事が興味深いのでご紹介したい。

北アンダマン島、中アンダマン島、南アンダマン島、インタビュー島、ハヴロック島、ラットランド島、小アンダマン島ほか南北に細長く広がる島々は正式には「アンダマン・ニコバル諸島」と呼ばれ、その中でリゾート開発が進んでいるのはビアー・サバーカー国際空港を擁する南アンダマン島のポートブレアと、ハヴロック島の2か所である。

19世紀中頃からは英国が反乱軍兵士、政治犯、捕虜の流刑地として使用した歴史を持ち、全人口は34万人ほどというアンダマン・ニコバル諸島で“パンドラの箱”のような存在といわれるのが、そのポートブレアから60kmほど西に位置する北センチネル島(North Sentinel Island)。一辺が8kmほどのほぼ正四角形をした環礁も美しいトロピカルアイランドだが、ヘタに乗り込めば先住民に石、矢などの武器で襲い掛かられて命を落とすことになるのだ。

センチネル族と呼ばれるその先住民については、2004年のスマトラ島沖地震で救援物資を運び込もうとしたヘリコプターや輸送機を矢や投石で攻撃し、2006年にはインドからの密漁者を殺害。さらにその遺体の引き取ろうとして向かった政府関係者をも攻撃した。そのようなわけでアンダマン・ニコバル諸島の関係当局はもちろん、インド政府もすでに干渉を諦めており、人口についても正確な数字は把握できていないもようだ。

そんな中、世界各地の先住民族の問題に取り組んでいる国際組織「サバイバル・インターナショナル」のディレクター、スティーヴン・コリーさんから興味深い発表があったもようだ。最新の情報として、先住民の中でも特に古くからいた「ボー族」の最後の生き残りが4年前に死亡していたというのである。北センチネル島に非凡な価値と魅力を感じている同組織は、その手つかずの自然と先住民の伝統文化をなんとかして保護し、彼らが彼ららしく生きていけるよう支援していきたいもようだが、この島は周囲3マイル以内に他者が侵入することを決して許さないと表明しているという。

※ 画像はmirror.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)