アラバマ州バーバー・モータスポーツパークで開催されているベライゾン・インディカー・シリーズ第4戦。25日に行われた予選は、エリオ・カストロネベスがトップタイムをマークし、2戦連続でポールポジションを獲得。佐藤琢磨(AJフォイト)は、セッティングに苦しみ20番手だった。
バーバー・モータースポーツパークでのインディカー・シリーズ第4戦ホンダ・インディ・グランプリ・オブ・アラバマ。今回のインディカーは2デイイベントで、午前と午後に1回ずつのプラクティスを行なった後、夕方に予選が開催された。
予選のファイナル・ステージに進んだ6人の中で最速ラップタイムとなる1分7秒1925をマークしたのは、ベテランのエリオ・カストロネベス。これでカストロネベスは、ロングビーチからの2戦連続ポールポジション獲得を達成し、キャリア43個目のPPはインディカー歴代4位となるもので、歴代3位のボビー・アンサー(49回)との差をひとつ縮めた。
雨と雷のため、予選のファイナル・ステージは1分40秒を残してチェッカーフラッグとなった。しかし、グリーンの状態が5分以上保たれたことで予選は成立となった。
カストロネベスはポール獲得で1点を稼ぎ、ポイントリーダーのチームメイト、ファン・パブロ・モントーヤとの差を2点に縮めた。「プラクティスから僕らは予選みたいに戦っている。チームメイト同志でプッシュし合っているんだ。それが速さに繋がっている。そして勿論、チームの力がある。マシンの仕上がりが素晴らしいんだ」とカストロネベスは喜んでいた。明日、彼は2010年以来のバーバー制覇を狙う。
予選2番手はウィル・パワー。1分7秒3833が彼のベストで0.1908秒の差があったが、今日の予選で最も速いラップ・タイムはパワーが第2セグメントで出した1分6秒8050。彼の戦闘力は侮れない。
サイモン・ペジナウが予選3番手とペンスキー・ドライバーたちが予選でトップ3を独占したのだ。もう1人のペンスキードライバー、開幕戦ウイナーでポイントリーダーのモントーヤは、予選の第1セグメント通過に失敗して予選15番手となった。
先週のロングビーチで優勝しているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)は、朝のプラクティスで最速だった。予選ファイナルでは4番手のタイムをマーク。なお、彼が2013年の予選で出した1分6秒7750のレコードは今年も破られなかった。路面のコンディションが今年は良くなかったためだろう。
予選5番手はジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)で、予選6番手はトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。ニューガーデンはロングビーチに続いてファイナルへと進出し、ペンスキーとガナッシの二強とトップ6グリッドを競い合った。
過去2年バーバーでPPを連続で獲っているライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、モントーヤ同様にセグメント1通過に失敗した。予選結果は18番手だ。彼のチームメイトたちは、マルコ・アンドレッティが13番手でチームのトップ。カルロス・ムニョスは予選22番手と、今回がインディカーデビューのルドルフォ・ゴンザレス(デイル・コイン・レーシング)より後方グリッドとなった。
佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は予選20番手。3月の合同テストは10番手につけたが、今日はマシン・セッティングを路面をはじめとするコンディションにフィットさせることができなかった。予選開始前に急遽行ったセッティング変更も効果を発揮せず、レッドタイヤを2セット投入したが第2セグメント進出はならなかった。チームメイトのジャック・ホウクスワースも彼のひとつ上の予選19番手だった。
「レッドを2セット投入してでも第2セグメントに進む。それを目標にしました。このコースはドライだとオーバーテイクが本当に難しいので。しかし、マシンはアンダーステアが強くてタイムを出すための切れ味鋭いセッティングにはなっていませんでした。それでも、プラクティスまででは不足していたスタビリティのあるハンドリングになっていたので、明日のレースに向けては良いものを見つけたと思います」と琢磨は語っていた。