キャリコネニュースが4月20日、外食や小売店などで理不尽な要求をするクレーマーに関する記事を配信したところ、ネット上で大きな反響が寄せられた。
記事では「#実際に言われたクレーム晒す」というハッシュタグで、ツイッターに寄せられている酷い話を紹介。「アイス買ったんだけど溶けたから返品する」「この映画、怖くて微妙にしか見てないから返金ね」といった理解不能なクレーマー客の実態を伝えた。
笑顔の接客に「人の顔を見て笑う店員がいる」
配信先のニコニコニュースには900件以上のコメントが寄せられ、読者が経験したクレーマー客のエピソードも書き込まれた。
「学生時代バイトで大量に無料クーポン券を持ってきた客が『割引券分を現金でよこせ!』ってレジで怒鳴られた時は絶句したよ」
「とあるラーメン店にて 客:勘定!私:(レジ計算後)1万2千円です。客:はぁ!? 高すぎだろぉ?半額にしろよ!」
コンビニでバイトをしている人は、客から「声キモイからもう来ない」と言われたという。クレーマー客の被害に遭ったコンビニバイト経験者は少なくないようだ。
他にも「声が小さい」と言われて朝の4時に説教された話や、笑顔で接客をしていたら「人の顔を見て笑う店員がいる」と本部にクレームを入れられたという話もあった。これを読んで「コンビニの店員は尊敬するわ、もっと時給高くてもいいと思う」と書く人もいた。
クレーマーは、店員相手にストレスを発散することが目的になっているケースもある。あまりに悪質な場合は、威力業務妨害で警察を呼んだ方がいい、という声もあった。
その一方で、問題は会社や店側にもあり、顧客に対する過剰なサービス精神がクレーマーを増長させているという意見もある。
「日本は客を甘やかしすぎ」
「過剰サービスに慣れて傲慢になってしまったのか」
「店が客に反論できないって風潮ほんとどうにかならんかな」
元祖も「サービス側を見下す人たちに、様は付かない」
客と店の間に上下関係はなく、「そもそも商品の売買というのも取引なんだから対等な立場であるべき」という見方もある。店は円滑な取引のために丁寧な態度をとっているのだから「横柄な客には横柄な態度で良い」という人もいた。
「お客様は神様です」という言葉が誤解されて広まっているのが原因と指摘する人も。実際「お客様は神様なんだから何でもしろ!」などとクレーマー客の常套句にもなっている。
この言葉は、演歌歌手の故・三波春夫さんの発言として知られる。しかし三波さんの公式ウェブサイトには、この言葉が曲解されていることを嘆く文章が掲載されている。
そもそも三波さんが言った「お客様」は、歌を楽しもうときちんと聴いてくれる観客のこと。「神前で歌うようなまっさらな気持ちで芸を披露する」という意味があったという。そのため、「商店や飲食店などのお客様のことではないのです」と指摘し、こう批判している。
「大体クレーマーたるや、『お客様』と『様』を付けて呼んで貰えるような人たちではないと思います。サービスする側を見下すような人たちには、様は付かないでしょう」
NHKでも特集。「過剰クレーム」がトレンド入り
この説明は一部のネットユーザーには知られているようで、ニコニコニュースにも「『お客様は神様です』なんて安易に使う奴は教養の無さを披露しているだけやね。三波春夫氏のHPよく読んで出直して来い」なんてコメントもあった。
悪質クレーマーというのはもはや普遍的なネタのようで、4月24日にはNHK「おはよう日本」でも特集された。ツイッターでも「過剰クレーム」がトレンド入り。「立場が弱い相手に怒鳴り散らすのはクズ」「さっさと警察呼ぶべき」といった投稿が寄せられていた。
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