パリで開催中の「第30回イエール国際モード&写真フェスティバル」でエスモードジャポン出身のデザイナー松重健太が、新作を発表した。昨年ファッション部門でグランプリを受賞したことから、「シャネル(CHANEL)」傘下のアトリエが協力。新作は、イタリア・ヴェニスの建築家カルロ・スカルパのブリオン家の墓や彼自身の建築にインスピレーションを得たという。
期待の新星デザイナー松重が最新コレクション披露の画像を拡大 若手デザイナー達の登竜門として知られる「イエール国際モード&写真フェスティバル」は2015年で30周年を迎え、4月23日から27日まで5日間の期間で開催されている。昨年から「シャネル」がパートナーとして迎えられ、第30回目のフェスティバルのアーティスティックディレクター(芸術全般指揮)にはカール・ラガーフェルドが就任している。
フェスティバルの3日目に新作を披露した松重は、シャネル傘下のアトリエのなかでも刺繍や帽子、靴において協力を依頼。円や四角といった幾何学的なカッティングを意識したというウェアには、刺繍のアトリエ「ルサージュ」による日本の組子の模様や、羽のアトリエ「ルマリエ」による睡蓮の葉からインスピレーションを得たというモチーフなど、ディテールに日本のエッセンスを注入。アトリエ「マッサロ」が担当したソールがデコボコで、シューレースがずれたロングブーツや、「ミッシェル」が担当した先端より少しずれた位置でカットし、ボタンで留めたバイカラーのハットなどアクセサリー制作にも挑み、クリーンで構築的な松重の"持ち味"をトータルで表現した。
■Kenta Matsushige 2015-16年秋冬コレクション