2016年卒の新卒社員を確保するべく、各企業が採用活動に趣向を凝らす中、「モテる」学生を積極的に採るというベンチャー企業が現れた。
不動産仲介業などを行っているプログレス(東京・麹町)は4月20日、従来の採用活動と並行して、1次と2次の集団面接をパスすることができる「フツーで終わりま選考」という別枠を設置すると発表した。その1つが「モテモテ採用」だ。
「人に好かれる力」は営業にも必要
採用サイトでは、参加条件を「20人以上に告白された経験のある方」に設定。
「毎年バレンタインチョコは30個以上があたりまえ!」
「自称モテ男・モテ女だ」
といった人にぴったりの選考だという。かなりハードルが高そうだが、イケメンや美女の就活生が応募するのだろうか。
モテる男女はコミュニケーション力が高く、就活でも有利という説はときどき聞かれるが、一体どういう意図があるのだろうか。同社広報担当者はこう語る。
「これまで『うちの会社は新しいことをやっています』と学生にアピールしてきたのですが、その割に採用方法が面白くない、ということに気づきました」
同社では例年、新卒を十数人採用していたが、2016年卒では100人採用を目標にしている。そこで斬新な企画で話題を作り、学生に広くPRしたいという思いがあったという。
さらに「モテ」という要素自体が、この会社での仕事に大きく関係あるとする。営業職の割合が高い同社では、「人に好かれること」は大きな武器になるので、「学生のうちからモテる人は弊社でも活躍できると思います」と説明する。
面接で男子にモテた経験を語る女子大生も
応募条件の「20人以上に告白された経験」については、あくまで「自称可」としており、細かい真偽は問わない様子。広報担当者は「仕事では、自分に自信がないと相手も不安になってしまいます。根拠のない自信も重要です」と話す。
異性にモテた話だけでなく、「自分がいるだけで人が寄ってくる」「生徒会に立候補したら圧倒的な票数を獲得した」といったエピソードも歓迎だという。すでに選考がスタートしており、男子にモテた経験を語る女子学生や、バイト先で先輩から可愛がられていると語る男子学生がいたということだ。
同社の「フツーで終わりま選考」では、「モテ採用」のほかに3つの選考がある。1つめは、自分が「進化」したエピソードを面接でプレゼンする「プログレス採用」で、現在のところモテ採用に次いで応募が多い。部活などで「辛かったけど乗り越えた」というエピソードを語る学生がいたという。
2つめは、内定後すぐに承諾を決められる学生向けの「即承諾!採用」だ。広報担当者は「自分自身で決断できる人を採用したいと思いました」と説明。承諾は強制ではなく、辞退も可能だが、「即承諾してもいい」と思えるぐらい志望度の高い学生に期待している。
3つめが、3社以上の内定を持っている「内定持ってます。採用」。4月現在まだ応募はないが、就活が本格化する8月以降にエントリーがありそうだ。広報担当者は「積極的に採用する予定ですので、多くの学生に応募してもらえれば」と話していた。
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