「住みたい街」として不動の人気の吉祥寺。しかし、この街がなぜ人気ナンバーワンなのかと疑問に思う人物がいた。マツコ・デラックスである。かねてから「なぜ吉祥寺が住みたい街なのか意味がわからない」、交通便の良さに対しても「どこがよ!」「(吉祥寺には)住みたくない」などと発言していた。
そんなマツコが吉祥寺の街を歩き、その魅力を肌で感じて分析した。4月2日からスタートした新番組「夜の巷を徘徊する」(テレビ朝日系)での企画だ。同番組はマツコが気になる夜の街を目的なく歩き、気の向くままにお店に入ったり出会った人と絡んだりするという内容。1回目の街が吉祥寺で、4月2日・9日の2週にわたって放送された。(文:みゆくらけん)
「品のいいエロタウン。寂しさを紛らわせてくれるのよ」
23時の吉祥寺はすでに閉店準備をしている店も多く、予想外に閑散としていた。途方に暮れるまま歩きながら、やはりなぜ吉祥寺が住みたい街ナンバーワンなのか「全くわからない」と言うマツコ。
なんとかその後、吉田類が訪れそうな大衆酒場、錦糸町にありそうな雑居ビルのスナックとハシゴしたマツコだったが、3軒目のワインバーではイケメン店主と男性一人客を巻き込んでトーク。
吉祥寺には男女が出会える飲み屋が多いという話や、食べ終わった皿をさりげなく片付けてくれる男性客のスマートな優しさから、得意の洞察でマツコが出した答えは「わかった! 結局住みやすい街ってそういうことよ! (吉祥寺は)愛が生まれる街よ」ということだった。
「エロタウン! 下世話でなく、品のいいエロタウン。寂しさを紛らわせてくれるのよ。なるほどねー」
と深く納得し、吉祥寺は自然とモテる人が集まる街で、高円寺や阿佐ヶ谷とはそこが違うと分析した。
「幸せになろうとしてる、と思われたくない」
それでもマツコは吉祥寺を「気恥ずかしい」とし、その理由を「幸せになろうとしてんのか、と思われたくないからだ」と説明した。
「吉祥寺のこと嫌いじゃないけど、住みたいって言っちゃったら、42年間抗い続けたのに刀を鞘に納めてしまう気がして。なんで私が東京の西側とか横浜に敵対心を持つのかわかってきた。答えが出た」
と納得していた。常々「私には普通の幸せなんか訪れない」「私は普通の幸せなんか望んじゃいけない」と言っているあまのじゃくなマツコらしい答えであった。
ちなみに、この番組では普段あまりお目にかかれないマツコの飲み姿がたくさん見られる。今回の吉祥寺でもトータル4軒の飲み屋をハシゴし、日本酒、ビール、ハイボールなど豪快に飲んだマツコだが、テンションも喋りも普段とあまり変わらず酒には強い体質のようだ。この先どこかの街で、酔ってグデングデンになったマツコの姿が見られるのを期待したい。
マツコの負担があまりにも大きい気がするが
しかしこの番組、大丈夫なのか?マツコが徘徊しているとなると、人通りの少ない吉祥寺でも一部で人だかりができ、歩行が困難なほどキャーキャー言われていた。マツコ自身も「これ六本木とか行ったら大変なことになるわ。そりゃ麻布警察も止めますよ」と言っていたが。
あとひとつ。気の向くままに目的も決めずに、マツコひとりに街を徘徊させるというこの内容。無理がないか? いくら人気者のマツコでも、たったひとりで歩かせ、カメラは追いかけているだけ。そこに毎回ドラマは生まれるか? マツコの負担があまりにも大きい気がするのは私だけ?
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