就活クチコミサイトVorkersは4月14日、「平成生まれの退職理由ランキング」を発表した。新卒3年目までに会社を辞めた経験のある627人から投稿された「退職理由」のコメントをもとに分析したものだ。
ランキングの1位には「キャリア成長が望めない」(25.5%)、3位には「仕事内容とのミスマッチ」(19.8%)があがった。長い下積みよりも、早く次のステップに進みたいという気持ちが感じられる。特に金融・保険業界では、入社前に思い描いていた理想と現実とのギャップに苦しんでいるようだ。
退職理由に驚き「3年で何が分かるんだ!」
この調査結果が4月20日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で取り上げられると、若者たちの漏らす不満に出演者たちが激しく噛みついた。
坂上忍さんやIKKOさんは、発表される退職理由に驚きを隠せない様子だ。1位の「キャリア成長が望めない」が発表されると、すかさず、
「3年で何が分かるんですか!」(坂上さん)
「自分で見て覚えるの!」(IKKOさん)
と一斉に非難。「残業・拘束時間の長さ」への不満にも、「3年だったらクソまで働け! もう!」と吐き捨てた。坂上さんが一番納得のいかなかったのは「仕事内容のミスマッチ」のようで、
「こんなの、最初から分かってないとダメですよ」
と意見した。若手社会人に、辛いことは最初から分かっていることだから簡単に辞めるなと問いかけているようであった。
「理想の職場」のイメージ植えつける企業側にも問題ないか?
坂上さんは「最初から分かってないとダメ」と言ったが、会社に入ってみなければ分からないことも実際には多い。どんな仕事が振られるか、どんな環境でどのくらいの時間を働くか、どんな上司や先輩と一緒に働くかも、入ってみなければ分からない。
なぜこのような「理想と現実のギャップ」が大きくなっているのか。ブラック企業アナリストの新田龍氏は、自社を実態よりも良く見せようとする会社や就活サイトにも問題はあると語っている。
「新入社員を被害者として考えるなら、自社の実力で学生を集めたり、採用できない企業が、就職情報メディアの営業と提案を受けて、実態から乖離した『理想の職場』のイメージを植え付け、それを信じた学生が入社後にギャップを感じて辞める、という構図が考えられます」
Q&AサイトのOKWaveにも、4月に入ってから「とても自分が馴染めるような雰囲気ではなかった」「自分が学校で学んできたことややりたいことと違う」という理由で、会社を辞めたいと明かす新人の相談が数多くあがっている。
とはいえ、メディアが振りまいた「理想の職場」はどこにも存在せず、最初の会社を辞めたところで見つかる保証はない。心身の健康を害する環境ならすぐにでも距離を置いた方がいいが、高すぎる理想をどこかで調整する必要があるのであれば、まずは現在の職場で目の前の仕事に力を注ぐのも手なのかもしれない。
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