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インディカー第3戦:ライバルを抑えディクソンがロンビーチ戦を制す。琢磨は最終周に不運

2015年04月20日 12:10  AUTOSPORT web

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ロンビーチ戦を制しキャリア36周目を挙げたスコット・ディクソン
ロングビーチで開催されたベライゾン・インディカー・シリーズ第3戦。19日に行われた決勝レースは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が好調のペンスキー勢を抑え、今季初勝利を挙げた。佐藤琢磨(AJフォイト)は、後方から順位を上げるも、最終ラップにガス欠。18位でレースを終えている。

 快晴の下で開催された第41回トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチ。ポールスタートのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は快調にトップを守っていたが、スコット・ディクソンより1周遅くした最初のピットタイミングが仇となった。

 彼が作業を終えてピットからダッシュしようというタイミングで、彼の目の前のピットボックスを使っていたトニー・カナーン(チップ・ガナッシ)がピットインして来たため、1~2秒その場を動くことができずにコース復帰が遅れたのだ。

 ほんの僅かのストップ延長が決定的な差となった。まんまとディクソンはトップに出る事に成功し、その後はカストロネベスにアタックのチャンスを与えなかった。ふたりの差は一時は4秒以上に開き、ディクソンはそれをコントロールしながら周回を重ね、2.2221秒の大差をもってゴールラインを横切った。

 開幕戦ではチーム・ペンスキーがマシンの仕上がりで明確なリードを持っていたが、3戦目にしてついにガナッシは対等に近いところまで実力を上げてきた印象だ。

 ディクソンは過去8回のロングビーチ出場でトップ5フィニッシュがたった1回だけという相性の悪さに悩まされていたが、今日は圧倒的な速さで伝統あるストリートレースでの初勝利を記録。今後はロングビーチを苦手とすることはないだろう。そして、ディクソンはキャリア36勝を挙げ、ボビー・アンサーを抜いて歴代5位の優勝回数を有するドライバーとなった。

「この勝利は大きい。好きなレースなのに成績が悪かった。今日の僕らは最高に速く、一度トップに立ってからは差をコントロールし続けるだけで良かった」とディクソンは結果にも自分たちのパフォーマンスにも喜んでいた。


 カストロネベスは2レース連続の2位。キャリア37回目の2位は、歴代2位タイでボビー・アンサーに並ぶものだ。歴代トップはマリオ・アンドレッティの56回(!)だ。

 3位は予選2番手だったファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)。彼はポイントリーダーの座を保ったが、カストロネベスが3点差に迫っている。

 4位はサイモン・ペジナウ(チーム・ペンスキー)。予選5位からひとつ順位を上げてのゴール。今シーズン早くも2回目のトップ5フィニッシュだ。ペンスキー勢は2-3-4位だったが、たった1人、ウィル・パワーだけは予選18位から上位に一度も顔を出すことなくレースを終えた。しかも、結果は20位と惨憺たるものだった。パワーのランキングはモントーヤと39点差の6位と、タイトル防衛に早くも赤信号点灯か?

 6位はカナーンで、7位はセバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)、8位はジョセフ・ニューガーデン(CFHレーシング)。開幕戦セント・ピーターズバーグでトップ6を独占したシボレーは、ロングビーチではトップ7までをスウィープしてみせた。

 ホンダ勢トップはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)の8位で、9位は彼のチームメイトのカルロス・ムニョスだった。10位にはガナッシ初搭乗で今シーズン初出場だったセバスチャン・サーベドラが入った。

 4番手スタートだったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、スタートで出遅れ、レース中もペースが上げられずに13位でゴール。

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は20位スタートから15位まで順位を上げてゴール目前まで行っていたが、チームの計算ミスで最終ラップにガス欠。最終コーナーを立ち上がってからゴール・ラインまでの間にチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)、ギャビー・シャベス(BHA)、コナー・デイリー(デイル・コイン)に抜かれて18位となった。

 それでも琢磨はポジティブだった。「今日の僕らはホンダ勢で最速のラップをマークしていました。土曜日のプラクティス3まで苦しんだマシンセッティングを最後にはコンペティティブなものに仕上げることできたということです。次のバーバーは開幕前の合同テストを行っているので、ここまでのデータを基に良いマシンを作って戦いたいと思います」と彼はレース後に語っていた。