女性が30代も半ばを迎えると、気になってくるのが今後の自分の女としての立ち位置。自然のままに任せるとどうしたってオバさん寄りに近づいていってしまうわけで、それに気付いた時にどうするかによって、その後の「オンナ現役感」が左右される。
しかしこの現役感を維持しようと外見磨きがいきすぎると、それは「美魔女」となって世間からバッシングを受けることとなる。4月13日に放送された「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)でも、出演者VS美魔女らの激しいトークバトルが繰り広げられた。特に毒を吐いていた出演者が、小藪千豊とミッツ・マングローブだった。
ミッツも強烈批判「若作りの根底にあるのは痛々しさ」
「いい年こいた美魔女をチヤホヤする国に未来はない」との考えを持つ小藪は「美魔女が跋扈(ばっこ)すると若い子も美ばかりを追い求める」と危惧し、自分磨きより子育てに必死な主婦らを賛美すべきだと批判していた。これに対し美魔女らは、こう反論していた。
「女性に生まれたからにはいつまでもキレイにいたい」
「人に迷惑をかけていない。自己満足なんですよ」
さらに強烈な批判をしていたのがミッツで、美魔女らを目の前にしながら、「若作りの根底にあるのは痛々しさ。若作りとか厚化粧を『美魔女』ってことで正当化している」、美魔女コンテストに関しても「けっこう熟してらっしゃるから、みずみずしさがない。タイのニューハーフショーに見えた」と鋭い目つきで言い放った。怖い。
美を追求する美魔女らだが、ビートたけしは「毎日一緒にいる美人のカミさんより、たまに会うブスの方がいいぜ」と持論を展開。正直な「生物としての」男の意見である。すかさず「そんなこと言うからクラブに行ったらブスばかり集まるんだよ」と大竹まことが突っ込むと、スタジオに笑いが起きた。しかし次の瞬間、
「そういう会話の方が追い詰めますよ。そうやって『ブス』っていうワードで笑いになっているのをみると、女の人は『美人』って言われる側にいかなきゃって」
と小島慶子が怒っていた。しなやかでないなぁ。
盛り過ぎない森高。美魔女の必死さと対照的
ところで、最近でいうと森高千里は「美魔女」とはあまり言われない。おそらくそれは彼女が盛り過ぎていないからである。頑張っている感がなく、メイクにしたってファッションにしたってナチュラルなのだ。だから批判的な目で見られない。
23歳の若さで「私がオバさんになっても」という歌をヒットさせた彼女は、最盛期ですでに「自分が若さでチヤホヤされなくなる」といい行く末を見通している。だから自分の変化を自然に受け入れて対応できるのである。
対し、「美魔女」は必死だ。ネイルにしても、まつげにしても「若い子に負けてないわよ」というオーラが凄い。往生際が悪い。
とにかく美魔女からは、オバさんになる、ということへの強烈な恐怖心・嫌悪感が感じられる。確かに実際問題、オバさんより「キレイなお姉さん」に優しい世の中(の男性)。世代的にも彼女らは、若くてキレイな女でいることの恩恵を受けたバブル時代を知っている。
つまりアレか? やっぱ、その時代に彼女らをチヤホヤした現おっさんらのせいか…とかしょうもないこと言いたくないけど、オバさんになるってそんなに悪いことか?
他人にどう思われるか、から自分がどう思うか、の自分基準の価値観に変わる。価値観が変わると見える世界が変わる。私はその日が楽しみである。
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