英ケント州の33歳の女性は、太り過ぎを自覚して19歳から職に就いておらず、生活保護手当だけが頼りだ。しかしある男性との婚約をきっかけにゴージャスな結婚式と海外ビーチリゾートへのハネムーンを真剣に夢見るようになり、役所の担当職員や納税者を呆れさせている。
今や肥満国家ワーストランキングの常連といえばイギリス。優れたその社会保障制度は、「100kgを超す巨体ゆえに働けない」と陳情する人々まで手厚く面倒をみており、この国の納税者らの怒りは増す一方である。英デヴォン州のプリマスで今年1月、
40代の夫婦が「体重197kg、146kgで体調も悪く働けない。国から支給される約36万円の手当が頼りだ」などとトークショー番組で語り、大変な物議を醸した。またスコットランドでは、ともに太り過ぎの母と娘が年間約600万円の生活保護を受給して暮らしていることが話題となり、無理に痩せて仕事をするより太っている方が人生ラクなどと議論が湧き起こったものである。
そしてこのたびの話題は英ケント州ジリンガムからである。『dailymail.co.uk』の取材に応じたのは、10代から生活保護受給者としての人生を歩んでいる体重107kgの女性、アンナ・ブルームさん(33)。「秘書みたいないい仕事に就いているのは痩せた金髪の女性ばかり。私なんて誰にも相手にされない」と不貞腐れ、ポテトチップスやスイーツのヤケ食いが止まらなくなったアンナさんは、2年ほど働いた看護師の仕事を辞め19歳からはうつ病に悩むようになった。しかしそれを救ってくれたのが、2009年にパブで知り合い婚約したジョーダン・バーフォードさん(39)であった。
彼女は今、憧れの教会での挙式とお城を借り切っての豪華なパーティ、メキシコの有名なビーチリゾートへのハネムーンを夢見ている。「だってそれは当然認められる人としての権利。私だって素敵な花嫁さんになってみたいわ」と話す。富裕層さながらの経済観念には驚くばかりだが、現実は厳しい。実はジョーダンさんも生活困窮者と認定されて月々2万4000円ほどの補助金を受給しており、両者合わせた受給額は毎月14万円ちょっとだそうだ。
ラブラドール犬を飼い、タバコ代もかかる上に食べることが大好き、パブでの飲食代もかかる。そんな生活でロクな貯金もないと語るアンナさんは、なんと「いっそ納税者のみなさんが投資するなりして私を助けてくれないかしら。国が貸してくれるだけでもいいし」と言い出した。だが、これまで彼女に支給された手当の合計は日本円にして約1800万円にも及ぶといい、役所の担当者は「受給者に贅沢をさせるための手当ではありません。ご自分の身の丈に合った暮らしを」と当然ながらその訴えを却下した。「入籍だけとか格安の式場を使用するなんてイヤ。そんなことなら結婚なんてしない方がマシだわ」とまたしても不貞腐れるアンナさんであった。
※ 画像はdailymail.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)