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「ふるさと納税」の確定申告が不要に――利用するための「3つの条件」を税理士が解説

2015年04月18日 18:11  弁護士ドットコム

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「ふるさと納税」制度の減税措置を受けるために必要だった確定申告が、4月から、計5つの自治体への寄付までは不要になった。


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「ふるさと納税」は、好きな地方自治体に寄付すると、寄付額から2000円を引いた全額が住民税と所得税で減税されるしくみだ。地方の特産品が特典としてもらえることもあり、人気を集めている。



ただ、確定申告をしないと減税措置が受けられないため、確定申告をしたことがない納税者の中には、利用をためらっている人もいるようだ。



確定申告が不要になれば、「利用してみたい」という人もいるだろう。確定申告なしで「ふるさと納税」制度を利用するにはどうすればいいのか、佐原三枝子税理士に聞いた。



●3つの条件をクリアすることが必要


「確定申告なしで『ふるさと納税』制度を利用するには、大きく次の3つの条件をクリアする必要があります。



まず、(1)2015年4月1日以降にした寄付であることが必要です。



これから『ふるさと納税』をしようと思っている方は問題ありません。



今年に入って3月末までに、すでに『ふるさと納税』制度を利用したという方は、その寄付を無効にして、4月以降の寄付について申告不要制度を使う。もしくは、今年のすべての寄付を有効にするために確定申告をする。このいずれかを選ばなければなりません。



次に、(2)当たり前のようですが、『申告不要制度』は確定申告をしないことが前提です。サラリーマンの方でも、医療費控除などのために確定申告をする人もいるでしょう。そうした方は、申告不要制度は使えません。



そして、(3)6団体以上に寄付をすると確定申告が必要になります。申告不要制度で済ませるためには、寄付先を年間5団体以下にしましょう」



●何もしなくてよいわけではない


これらの条件を満たせば、何もしなくてもお金が戻ってくるのだろうか。



「申告不要とはいえ、何もしなくていいわけではありません。寄付した人は、寄付した自治体それぞれに特例申請書を提出する必要があります。



記載内容は住所・氏名・生年月日、寄付日・寄付金額と先ほど挙げた3つの要件を満たしていることにチェックを入れるだけなので、申告に比べてはるかに簡単です。



様式は自治体のホームページにアップしているところもあります。申請書が提出されると、寄付を受けた自治体が寄付者の住所地の自治体に情報を通知することで、住民税の計算がされます。



他にも、変わった点はあります。今年1月1日からは、ふるさと納税の減税上限額が約2倍になりました。



たとえば、これまでは扶養家族やローン控除等なにも控除がない年収300万のサラリーマンの方なら1万5000円の『ふるさと納税』をした場合、1万3000円の減税が上限でした。今年からは、2万8000円の寄付をすると、2万6000円の減税を受けられるようになるということです」



ふるさと納税はお得な制度といえるが、注意すべき点もあるという。



「『ふるさと納税』の楽しみである特産品等の返礼品が『一時所得』となることに注意しましょう。



一時所得は年間50万までは課税されないので、ふつうは気にしなくて大丈夫です。



ただ、たまたま保険の満期金などがあると、満期金の所得と返礼品の価値を合計して50万を超えてしまうこともあります。こうした場合は、申告の必要が生じますので注意してください」



佐原税理士は、「私は、『ふるさと納税』制度を利用して、単に『お得な制度』ということだけでなく、今まで知らなかった自治体にご縁を感じました。申告不要制度で、『ふるさと納税』が広まるとよいですね」と語っていた。



【取材協力税理士】


佐原 三枝子(さはら・みえこ)税理士・M&Aシニアスペシャリスト


兵庫県宝塚市で開業しています。工学部、メーカー研究所勤務から会計の世界へ転向した異色の経歴です。「中小企業の成長を一貫してサポートする」ことを事務所理念とし、税務にとどまらず、経営改善支援、事業承継や海外事業展開を手掛けています。


事務所名 : 佐原税理士事務所


事務所URL:http://www.office-sahara1.jp/



(弁護士ドットコムニュース)