仕事上のストレスが蔓延する現代社会で、もっとも賢いのはどんな生き方でしょうか。高収入で努力が最低限で済むような仕事に就くことは、選択肢のひとつです。
それでは「知的だが怠惰な人」には、どんな仕事が一番向いているのか――。BBCのコラムには、アンジェラ・ヘンシャルさんがQ&AサイトのQuoraにそんな質問を投げかけた反応がまとめられています。(文:夢野響子)
海外で「母国語の外国語教師」になる
コンピュータゲーム設計者のアンディ・リー・チェイシリさんは、「私が北京で出会った英語教師の3人に1人は、自身をインテリだが非常に怠惰だと考えている」と答えています。
中国で英語を教える仕事は、需要も高いし時給も高い。就職するには「英語圏の出身」というだけで十分な場合もあります。
多くの英語教師はパートタイムで働いていますが、その理由は短期間の休暇中だったり、別の仕事を見つけるまでの腰掛だったりするから。英語教師を真面目に自分のキャリアと決めた人であれば、間違いなくどんどん昇格するはずだというのです。
それでいて英語教師の仕事は、中流階級の大卒で週50時間労働し終身残業もするような人と同額の収入を得られます。「だから怠慢な人は、英語を教えるべきだ」というのです。日本語は英語ほど時給が高いかどうかは分かりませんが、選択肢になるかもしれません。
「コンピュータプログラマー」になる
遠くまで働きに出たくないような人は、コンピュータプログラマーがぴったりだと、ポール・デンリンジャーは主張します。
「この仕事には、継続的な学習プロセスが必要だが、本当にハードワークをする必要はない。課題の多くは繰り返しであることが、徐々にわかってくるから」
よいプログラマーは可能な限り少ない行でコードを書くので、労力も最少だし、それでいて収入も高い。インテリで技術肌の人たちと働きつつ、新しいアイディアには資金を惜しまない投資家たちから高収入を得ることができるというわけです。
しかし実際に働いている人からは、異論が出ています。シドニーの現職プログラマーのクリス・レオングは「政府関係の仕事の方がいい。オーストラリアでは政府関係の仕事は週35時間勤務だから」と言っています。
マイクロソフトなら「怠惰」でも雇われる?
マシュー・クズマは、何かのプロの「専門家」になることを勧めます。
「考えや意見を誰かとシェアするだけで収入になる。重労働は、他の人がするのさ」
他人には難しく見えるが、本人には「仕事とは見なされないような、楽しく簡単だと思っていること」を見つけることが肝心なのだそうです。またアービンド・クリシュナンは、億万長者ビルoゲイツのこんな言葉を引用しました。
「私はいつも困難な仕事は怠惰な人にやってもらいます。彼らはそれをする一番簡単な方法を見つけ出しますからね」
クリシュナン氏は「だから、世界の知的で怠慢な人々よ。あなたは、マイクロソフトでうまくやっていけるかもしれない」と締めくくっています。
(参照)The best jobs for smart, but lazy people (BBC)
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